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皮膚科

知っておきたい梅毒の知識

- 梅毒とは梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる螺旋状の細菌が原因で発症する感染症です。この病気は、主に性行為によって感染します。具体的には、感染している人の性器、口、または肛門との直接的な接触によって菌が体内に侵入します。稀ではありますが、感染した母体から胎児に感染する可能性もあります。梅毒の恐ろしい点は、感染初期には症状が現れないか、現れても非常に軽いため、感染に気づかない場合が多いことです。初期症状として、性器に硬くて痛みのない潰瘍(しこり)ができることがありますが、痛みがないため、放置してしまうことがあります。しかし、治療せずに放置すると、細菌は体内に留まり続け、やがて全身に様々な症状を引き起こします。具体的には、発疹、発熱、リンパ節の腫れなどが現れることがあります。さらに進行すると、心臓、脳、神経などに深刻な合併症を引き起こし、生命を脅かす可能性もあります。梅毒は早期に発見し、適切な治療を行えば完治する病気です。疑わしい症状がある場合は、ためらわずに医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。また、性行為の際にはコンドームを正しく使用することで、感染のリスクを減らすことができます。
血液

臨床現場の用語:ハーベーって何?

病院で働く医師や看護師などは、日々の業務の中で膨大な量の情報を扱っています。診察記録や検査結果、投薬 instructions など、正確に情報を伝えることが非常に重要です。しかし、医療現場は常に時間との闘いです。限られた時間の中ですべてを丁寧に伝えることは難しく、情報を簡潔に伝えるために、医療従事者の間では専門用語や略語がよく使われています。 これらの略語は、医療従事者にとっては共通認識となっているため、円滑なコミュニケーションを図る上で大変役に立ちます。例えば、血液検査の結果を伝える際に「WBC 8000」と言えば、白血球数が8000/μLであることを意味し、すぐに患者さんの状態を把握することができます。しかし、医療従事者以外の人にとっては、これらの略語は暗号のようにしか聞こえず、不安に感じてしまうかもしれません。 もし、診療中に意味の分からない言葉が出てきたら、遠慮なく質問するようにしましょう。医療従事者は、患者さんが安心して治療を受けられるよう、分かりやすい言葉で説明するよう努める必要があります。
資格・職種

東洋医学の真髄:はり師のすべて

- はり師とははり師とは、国の資格である「はり師」の免許を持ち、人々の健康を守るために活躍する専門家です。彼らは、身体に備わる「経穴」と呼ばれる特定の場所に、繊細な技術で鍼を刺し入れることで、様々な不調の改善を目指します。「経穴」は一般的には「ツボ」として知られており、身体の表面に点在しています。はり師は、このツボを的確に見つけ出し、適切な深さや角度で鍼を刺すことで、身体の内部に刺激を与えます。この刺激が、神経系や血液循環、免疫システムなどに働きかけることで、肩や腰の痛み、手足のしびれ、冷え性といった様々な症状の緩和や改善を促すと考えられています。はり師の仕事は、単に鍼を刺す技術だけではありません。身体の構造や機能、病気や症状に関する深い知識、そして患者さん一人ひとりの状態を見極める観察力も必要不可欠です。西洋医学とは異なる視点から、身体全体のバランスを整え、人間が本来持っている自然治癒力を高めることで、真の健康を手に入れるサポートをします。
泌尿器

排泄障害:原因と対策について

- 排泄障害とは私たちが毎日食事をして生きていく上で、不要になったものや老廃物を体外へ排出することは非常に重要です。 このうち、尿や便として排出する行為を排泄といいますが、様々な原因によってこの排泄がスムーズに行えなくなる状態を、排泄障害といいます。排泄障害には、尿に関するものと便に関するものの二つに大きく分けられます。尿に関するものでは、尿意はあるのにうまく排泄できない、一回の排尿量が少なく何度もトイレに行ってしまう頻尿、反対に排尿回数が少なく一日を通しての尿量が極端に減ってしまう乏尿、排尿後に膀胱内に尿が残っている感覚がある残尿感などが挙げられます。便に関しては、便が硬く排泄に時間がかかってしまう、反対に水分量が多く軟便や下痢が続く、十分に排泄した感覚がないのに、その後も排便できないなどの症状が現れます。これらの症状は、日常生活においてトイレの回数が増えたり、外出を控えるようになるなど、生活の質を著しく低下させてしまう可能性があります。また、排泄の悩みを周囲に相談できずに一人で抱え込んでしまうことで、精神的な苦痛や不安感に繋がってしまうケースも見られます。 排泄障害は、加齢に伴って生じやすくなるだけでなく、生活習慣や食生活、ストレスなども大きく影響します。 一人で悩まず、少しでも気になる症状があれば、医療機関を受診し相談するようにしましょう。
その他

パターナリズムとは何か

- パターナリズムの定義パターナリズムとは、一般的に「お節介」や「余計なお世話」と認識されがちな行動を指します。たとえば、子供が自らの意思でやりたいと思っていないにもかかわらず、親が「将来のためになる」という善意から強制的に習い事をさせる、といった状況を想像してみてください。あるいは、医師が患者の治療方針に関する自己決定権を十分に尊重せず、一方的に治療内容を決めてしまうケースも考えられます。これらの行為は、一見すると親切心や善意に基づいているように見えます。しかし、パターナリズムは、相手の自主性や自律性を尊重していないという点で問題視されることがあります。たとえそれが良かれと思ってのこと、あるいは正しいと思われる選択であったとしても、本人の意思を無視して行動を制限することは、個人の自由や権利を侵害する可能性を孕んでいます。パターナリズムが特に問題となるのは、医療現場や福祉の場面です。医療従事者や福祉の専門家は、専門知識や経験に基づいて、患者や利用者にとって最善と思われる行動をとろうとします。しかし、その際、患者や利用者自身の価値観や希望を十分に考慮しなければ、パターナリズムに陥ってしまう可能性があります。重要なのは、常に相手の立場に立って考え、その人の意思決定を尊重することです。たとえ相手の選択が、自分にとって理解し難いものであったとしても、その選択を尊重することが、真の意味での善意と言えるのではないでしょうか。
その他

バセドウ病:自己免疫が引き起こす甲状腺の病気

- バセドウ病とはバセドウ病は、自分の免疫システムが誤って自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。この病気では、免疫の異常によって甲状腺を刺激する物質(自己抗体)が作られ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことで様々な症状が現れます。通常、私達の体の代謝やエネルギー産生を調節する甲状腺ホルモンは、脳からの指令を受けて適切な量が分泌されます。しかしバセドウ病では、この調節機能が自己抗体によって狂わされてしまうのです。甲状腺ホルモンは、心拍数を増やしたり、体温を上昇させたりと、体の機能を活発にする働きがあります。そのため、バセドウ病になると、動悸や息切れ、暑がり、体重減少、手の震え、疲れやすくなるなどの症状が現れます。また、精神的な興奮やイライラ、不安感といった症状が現れることもあります。さらに、眼球突出といった特徴的な症状が現れる場合もあります。バセドウ病は、適切な治療を行えば症状を抑え、普通の生活を送ることができます。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
資格・職種

医療の現場を支えるパラメディカル

病院で働く人といえば、お医者さんや看護師さんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん、お医者さんや歯医者さんは、患者さんを診察し、病気や怪我の診断、治療方針の決定などの中心的な役割を担っています。しかし実際には、病院にはもっと多くの専門家がいて、それぞれの専門知識や技術を生かして、患者さんの健康を支えています。 例えば、体の状態を詳しく調べるためには、レントゲン撮影をする診療放射線技師、血液検査を行う臨床検査技師、心電図や脳波の検査を行う臨床工学技師などが必要となります。また、病気や怪我の治療には、薬の専門家である薬剤師、リハビリテーションを行う理学療法士や作業療法士などが関わっています。さらに、患者さんの栄養状態を管理する管理栄養士も、健康回復には欠かせない存在です。このように、医療現場では、医師や歯科医師だけでなく、様々な専門職がそれぞれの専門性を活かし、互いに連携しながら、患者さんに最適な医療を提供しています。 医療現場で働く人たちは、みな「患者さんのために」という共通の思いを持っています。そして、チーム医療という言葉があるように、それぞれの専門性を生かしながら協力することで、より質の高い医療を提供することができるのです。
その他

病院経営を可視化するバランススコアカード

- バランススコアカードとは バランススコアカード(BSC)は、病院が将来に向けてどのような姿を目指すのか、その目標を達成するためにはどのような取り組みが必要なのかを明確化し、組織全体をその方向へ導くための経営管理ツールです。 従来の病院経営では、収益や費用といった財務指標のみで評価されることが多く、短期的な視点に偏りがちでした。しかし、病院が長期的に発展していくためには、患者さんからの信頼や満足度、医療の質の向上、職員の働きがいなど、財務指標以外の要素も重要になってきます。 バランススコアカードでは、病院の理念やビジョンに基づいて、「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という4つの視点から具体的な目標を設定します。 * -財務- 収益の向上やコスト削減など、病院の経営基盤を強化するための目標を設定します。 * -顧客- 患者さんからの満足度向上や、地域社会からの信頼獲得など、病院のサービス利用者に関する目標を設定します。 * -業務プロセス- 医療の質向上や業務効率化など、病院の業務プロセスに関する目標を設定します。 * -学習と成長- 職員のスキルアップや働きがいのある職場環境づくりなど、病院の将来を担う人材や組織に関する目標を設定します。 これらの4つの視点をバランス良く設定し、それぞれの視点における目標達成度を指標に基づいて測定することで、病院経営の全体像を把握することができます。そして、目標達成に向けた進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて計画を見直すことで、組織全体が常に目標を意識し、一体となって病院の成長に取り組むことができるようになります。
検査

がん治療とパフォーマンスステータス

- パフォーマンスステータスとは パフォーマンスステータス(PS)とは、病気、特にがん治療を受ける方の日常生活における活動レベルを測る指標です。 日常生活動作がどれくらい自立しているかを、0から4までの5段階で表します。数字が小さいほど、日常生活動作が自立していることを示し、数字が大きいほど、介護や介助が必要な状態であることを示します。 具体的には、 * -0- 全く問題なく日常生活を送れる状態 * -1- 軽い運動は制限されるが、普段通りの仕事や生活はできる状態 * -2- 仕事はできないが、身の回りのことは自分でできる状態 * -3- 身の回りのことの半分以上を他人の助けを借りて行っている状態 * -4- 全く身の回りのことができず、常に介助が必要な状態 このように、日常生活動作の自立度を5段階で評価することで、患者さんの状態を客観的に把握することができます。 この評価は、治療方針の決定や、抗がん剤治療などの効果、病気の進行度合い、予後を予測する上で重要な要素となります。 例えば、同じ病気、同じステージであっても、パフォーマンスステータスが良い方が、治療の効果が期待でき、予後が良い傾向にあります。 また、パフォーマンスステータスは、治療の開始前だけでなく、治療中も定期的に評価することで、患者さんの状態の変化を把握し、適切な治療やケアを提供するために役立ちます。
その他

知っておきたい橋本病:その症状と治療法

- 橋本病とは橋本病は、本来体を守るはずの免疫の働きが誤って自分の甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。この攻撃によって甲状腺に慢性的な炎症が起こり、甲状腺ホルモンの分泌量が低下します。この状態を慢性甲状腺炎とも呼びます。甲状腺ホルモンは体の代謝を調整する重要な役割を担っているため、分泌量が低下すると、全身に様々な影響が現れます。 橋本病は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気である甲状腺機能低下症の主な原因の一つとして知られています。日本では、比較的患者数の多い病気であり、特に女性に多く見られます。年齢層としては、30代から50代にかけて発症するケースが多い傾向にあります。 橋本病は初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため、健康診断などで甲状腺ホルモンの値に異常が見つかり、初めて橋本病と診断されるケースも少なくありません。病状が進行すると、疲労感や倦怠感、体重増加、むくみ、寒がり、便秘、皮膚の乾燥、髪質の変化、月経不順などの症状が現れるようになります。 橋本病は完治が難しい病気ですが、適切な治療を行うことで症状を抑え、日常生活に支障が出ないようにコントロールすることができます。
検査

がん治療の指標:パフォーマンスステータスとは?

- パフォーマンスステータスとはパフォーマンスステータス(PS)とは、病気の影響によって患者さんの日常生活における活動レベルがどの程度なのかを評価し、0から4までの5段階で表す指標です。この指標は、アメリカの腫瘍学団体であるECOG(Eastern Cooperative Oncology Groupイースタン協同腫瘍学グループ)によって提唱されました。特に、がん患者さんの状態を評価する際に広く用いられています。医療現場では、PSと呼ばれることが一般的です。PSは、治療方針の決定や予後予測の重要な要素となります。PS0は、全く問題なく日常生活を送れる状態を指します。PS1は、軽度の症状はあるものの、仕事を含めほぼ普段通りの生活を送れる状態です。PS2では、身の回りのことは自分でできるものの、仕事などの激しい活動は困難な状態となります。PS3は、身の回りのことの一部で介助が必要となり、一日の中でベッドで過ごす時間が半分以上になる状態を指します。そして、PS4は、身の回りのことは全くできず、常時介護が必要な状態です。PSを評価することで、患者さんにとってどの程度の治療の負担が可能なのか、日常生活でどのようなサポートが必要なのかを客観的に判断することができます。これは、医療者が患者さん一人ひとりに最適な治療計画を立て、QOL(生活の質)を維持しながら治療を進めていく上で非常に重要な指標となっています。
消化器

命に関わる腹膜炎:汎発性腹膜炎とは

- 腹膜炎とは私たちのお腹の中には、胃や腸などの重要な臓器が詰まっています。これらの臓器は、薄い膜で覆われており、この膜のことを腹膜と呼びます。腹膜は、臓器を保護し、滑りやすくすることで、臓器同士が摩擦を起こさずに動くようにする役割を担っています。この重要な腹膜に、何らかの原因で炎症が起こってしまう病気を、腹膜炎と呼びます。腹膜炎は、放置すると命に関わる危険な病気であり、早期の診断と治療が非常に重要です。腹膜炎の原因はさまざまですが、大きく分けて二つのパターンがあります。一つは、細菌感染によって引き起こされる場合です。例えば、虫垂炎や大腸憩室炎などが悪化し、腹膜にまで炎症が広がってしまうケースが挙げられます。また、外傷や手術によって、細菌が腹腔内に侵入し、腹膜炎を引き起こすこともあります。もう一つは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、大腸憩室炎などの病気が悪化し、その合併症として腹膜炎が起こる場合です。これらの病気によって、胃や腸に穴が開いてしまい、消化液や内容物が腹腔内に漏れ出すことで、腹膜に強い炎症を引き起こします。腹膜炎になると、激しい腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。また、腹膜が炎症を起こすことで、腸の動きが悪くなり、お腹が張ったり、ガスが溜まったりすることもあります。症状が進むと、意識がもうろうとしたり、血圧が低下したりするなど、ショック状態に陥ることもあります。腹膜炎は、命に関わる危険な病気であるため、早期の診断と治療が非常に重要です。
外科

ハルトマン手術:人工肛門と腸の切除

- 手術の概要 ハルトマン手術は、大腸の病気や損傷に対して行われる手術です。具体的には、大腸がんや腸閉塞などが、この手術の対象となります。 この手術では、まず、病気や損傷のある大腸の一部を切除します。そして、人工肛門と呼ばれる腹部開口部を造設します。人工肛門は、腸から腹部表面に通じる開口部で、これを通して便を体外に排出します。つまり、本来の肛門の代わりに、人工的に肛門としての役割を果たす開口部を作る手術と言えます。 ハルトマン手術は、緊急を要する場合や、患者の状態が他の手術に耐えられない場合に選択されることが多いです。この手術によって、命に関わる危険な状態から回復できる可能性があります。一方で、人工肛門を造設するため、生活上の変化を受け入れる必要も生じます。 手術を受けるかどうかは、病気の状態や生活への影響などを考慮し、医師とよく相談した上で決断することが大切です。
アレルギー

免疫の鍵分子: ハプテン

私たちの体には、ウイルスや細菌などの外敵が侵入してくると、それらを排除しようとする防御システムが備わっています。これを免疫と呼びますが、この免疫において重要な役割を担うのが抗体です。抗体は、体内に侵入してきた異物である抗原に結合し、その異物を排除する働きをします。 通常、抗体は、タンパク質や多糖類などの大きな分子を抗原として認識し、結合します。しかし、世の中には、それ自体だけでは抗体産生を促すことができないにもかかわらず、特定の条件下では抗体と結合することができる物質が存在します。それが今回紹介する「ハプテン」です。 ハプテンは、分子量が小さく、単独では抗原としての性質を持ちません。しかし、ハプテンが体内のタンパク質などの大きな分子と結合すると、免疫システムに異物として認識され、抗体産生が誘導されることがあります。 このように、ハプテンは、それ自身が抗原となるのではなく、他の物質と結合することによって初めて抗原性を獲得します。 ハプテンは、医薬品、化粧品、染料、金属など、私たちの身の回りにも多く存在します。そして、ハプテンが原因となるアレルギー反応や皮膚炎なども少なくありません。例えば、ウルシに含まれるウルシオールは、皮膚のタンパク質と結合してハプテンとなり、接触性皮膚炎を引き起こします。 このように、小さくても大きな影響力を持つハプテンは、免疫学において興味深い研究対象となっています。
外科

ハルトマン手術とは?

- はじめに大腸がんは、日本人の間で罹患率と死亡率が高いがんであり、近年その数は増加傾向にあります。進行した大腸がんに対しては、手術、化学療法、放射線療法などを組み合わせた集中的な治療が行われますが、その中でも手術は根治を目指す上で非常に重要な治療法です。大腸がんの手術は、がんの発生部位や進行度、患者さんの状態などに応じて、様々な方法が選択されます。今回は、大腸がんの手術において、状況に応じて選択されるハルトマン手術について解説します。ハルトマン手術は、直腸がんやS状結腸がんなど、肛門に近い部位に発生したがんに対して行われる手術です。がんの切除と同時に、人工肛門を造設します。人工肛門とは、腹部に人工的に開口部を設け、そこから便を体外に排出するためのものです。ハルトマン手術では、がんが進行している場合や、患者さんの状態が手術に適さない場合などに、一時的に人工肛門を造設し、後日、人工肛門を閉鎖する手術を行うことがあります。ハルトマン手術は、根治性を高めるために重要な手術ですが、人工肛門の造設に伴う生活の質の変化など、患者さんにとって大きな負担となる可能性もあります。そのため、手術前に、医師から手術の内容やリスク、術後の生活について十分な説明を受け、理解しておくことが大切です。
消化器

吐き気:その不快感の正体

- 吐き気とは吐き気は、多くの人が経験する、胃のあたりから込み上げてくるような不快な感覚です。食べ物の匂いを嗅いだだけで、あるいは乗り物に乗っている時など、状況によっては強い不安感や恐怖感を伴うこともあります。しばしば嘔吐の前兆として現れ、実際に吐いてしまうこともありますが、吐き気だけにとどまり、嘔吐に至らない場合も少なくありません。吐き気を感じると、食欲がなくなったり、体がだるく感じたりするなど、他の症状が現れることもあります。また、吐き気は一時的なものから、慢性的に続くものまで、その程度はさまざまです。日常生活において、吐き気は実に様々な原因によって引き起こされます。例えば、食べ過ぎや飲み過ぎ、食あたりなどの消化器系の問題だけでなく、乗り物酔い、つわり、ストレス、強い痛み、薬の副作用なども吐き気を引き起こす要因となります。また、脳腫瘍や髄膜炎など、命に関わる病気のサインである可能性も考えられるため、吐き気が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。
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