DNA

その他

生命の設計図:クロマチンの役割

私たちの体は、約37兆個もの細胞から成り立っており、それぞれの細胞には核と呼ばれる小さな部屋が存在します。この核の中に、生命の設計図とも呼ばれる遺伝情報であるDNAが収納されています。DNAは、私たちの体を作るために必要な情報がすべて記録されている、非常に重要なものです。しかし、もしもDNAがそのままの状態で核の中に存在していたら、それはまるで糸くずが絡み合ったように複雑に絡み合い、必要な情報を読み取ることができません。 そこで、DNAを整理し、収納する役割を担うのがクロマチンです。クロマチンは、ヒストンと呼ばれるタンパク質にDNAを巻き付けることで、コンパクトに収納しています。この様子は、まるで図書館の書庫のようです。図書館にある膨大な量の本を、書庫は種類やテーマごとに分類し、整理整頓することで、必要な時にすぐに取り出せるようにしています。 クロマチンは、DNAを適切に収納するだけでなく、遺伝子の発現を制御する役割も担っています。遺伝子の発現とは、DNAの情報に基づいてタンパク質が作られる過程のことです。クロマチン構造が変化することで、遺伝子の発現がオンになったりオフになったりします。これは、図書館で必要な本が読みたい時にだけ書庫から取り出せるようなもので、状況に応じて必要な情報だけを読み取れるようにしているのです。
その他

タンパク質合成の設計図:mRNA

私たちの体は、様々な種類のタンパク質からできています。骨や筋肉、血液など、体を作る様々なパーツはタンパク質からできており、体の中で起こる化学反応も、タンパク質が大きく関わっています。毎日新しい細胞が作られ、古くなった細胞が壊されるように、タンパク質も、常に作られ、分解されています。では、細胞はどのようにして、膨大な種類のタンパク質の中から、必要なものを、必要な時に、必要な量だけ作り出すことができるのでしょうか? その鍵を握るのが、遺伝情報の通り道です。遺伝情報は、細胞の核の中にあるDNAに保存されています。DNAは、いわば体の設計図のようなものです。設計図であるDNAの情報に基づいてタンパク質が作られるのですが、DNAは細胞の核の外に出ることができません。そこで、DNAの情報は、mRNAと呼ばれる物質に「転写」されます。mRNAはDNAの情報の一部を写し取ったもので、核の外に出ることができます。 mRNAは、細胞質にあるリボソームという場所に移動し、そこでタンパク質合成の鋳型となります。リボソームは、mRNAの情報を読み取り、その情報に基づいてアミノ酸を順番につなげていきます。こうして、DNAの情報に基づいたタンパク質が合成されるのです。このように、DNA→mRNA→タンパク質という流れは、遺伝情報が細胞の中で伝達される基本的な流れであり、「セントラルドグマ」と呼ばれています。
その他

タンパク質合成の設計図:mRNA

私たちの体は、天文学的な数の細胞が集まってできています。それぞれの細胞は、まるで巨大な組織の歯車のように、決められた役割を忠実に果たしています。そして、細胞がその役割を全うするためには、様々な種類のタンパク質が欠かせません。タンパク質は、細胞の形を維持したり、細胞内の化学反応を助けたり、さらには細胞同士の情報伝達を担ったりと、まさに細胞活動の要と言えるでしょう。では、細胞はどのようにして、このような重要なタンパク質を作り出しているのでしょうか?その秘密は、遺伝情報の通り道にあります。 遺伝情報は、すべての生物の設計図とも言えるもので、細胞の核に存在するDNAに大切に保管されています。DNAには、タンパク質を作るための情報が、まるで暗号のように書き込まれているのです。しかし、DNAは非常に重要な情報を持つため、核の外に出ることは許されていません。そこで、DNAの代わりに、mRNA(メッセンジャーRNA)という物質が登場します。mRNAは、DNAに書かれた遺伝情報を写し取り、核の外にあるタンパク質合成工場へと運び出す役割を担っています。このように、DNAからmRNAへ、そしてmRNAからタンパク質へと、遺伝情報は正確に伝えられていくのです。
食生活

ビタミンB12:健康を支える重要な栄養素

- ビタミンB12とはビタミンB12は、健康な体を維持するために欠かせない栄養素の一つです。水に溶けやすい水溶性ビタミンの一種で、その複雑な構造の中にコバルトという金属を含むことから「コバラミン」と呼ばれることもあります。私たちが食事から摂取したビタミンB12は、胃で吸収され、肝臓に蓄えられます。体内で様々な働きをしていますが、特に重要なのは細胞の分裂と成長を助けるという点です。新しい細胞が生まれるためには、体の設計図とも言えるDNAの合成が欠かせませんが、ビタミンB12はこのDNA合成を助ける働きをしています。その結果、全身の組織が作られ、維持されることに貢献しているのです。もしビタミンB12が不足すると、新しい細胞が十分に作られなくなり、様々な不調が現れます。貧血、疲労感、神経系の障害などがその代表的な症状です。ビタミンB12は、肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。野菜や果物にはほとんど含まれていないため、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。特に、肉類をあまり食べないベジタリアンやヴィーガンの人は、ビタミンB12不足に陥りやすいため、サプリメントなどを活用する必要があるかもしれません。ビタミンB12は、私たちの健康を支える重要な栄養素です。毎日の食事に気を配り、不足しないように注意しましょう。
PAGE TOP