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循環器

静かなる脅威:動脈瘤について

- 動脈瘤とは私たちの体内には、全身に張り巡らされた血管があり、心臓から送り出された血液を体の隅々まで送り届けるという重要な役割を担っています。この血管の中でも、心臓から血液を送り出す役割を担うのが動脈です。動脈は、血液を勢いよく送り出すために、壁が比較的厚く、弾力性に富んでいます。しかし、何らかの原因で動脈の壁の一部が弱くなってしまうことがあります。すると、その部分は血液の圧力に耐え切れずに、風船のように膨らんでしまいます。この状態を動脈瘤と呼びます。動脈瘤は、決して珍しい病気ではありません。特に、高血圧や喫煙、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を持つ方は、動脈硬化のリスクが高まり、動脈瘤を発症しやすくなる傾向があります。動脈瘤は、脳、心臓、腹部など、体の様々な場所に発生する可能性がありますが、特に脳動脈瘤は、破裂するとくも膜下出血を引き起こし、死に至ることもあるため、注意が必要です。動脈瘤は、自覚症状がない場合が多く、健康診断などで偶然発見されることも少なくありません。しかし、動脈瘤が大きくなると、周囲の組織を圧迫し、様々な症状が現れることがあります。例えば、脳動脈瘤の場合は、頭痛やめまい、吐き気などを引き起こすことがあります。また、腹部動脈瘤の場合は、腹部にしこりを触れたり、腹痛や背痛を感じたりすることがあります。動脈瘤は、破裂するまで自覚症状がないことが多く、また、破裂すると命に関わることもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。動脈瘤が疑われる場合は、医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。
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関節造影検査:アルトログラフィーとは

- アルトログラフィーの概要アルトログラフィーは、レントゲン検査では分かりづらい関節内部の状態を詳細に把握するために用いられる画像診断法です。関節鏡検査のように関節を直接観察するわけではなく、造影剤を用いて関節内部を可視化するのが特徴です。検査ではまず、穿刺針を用いて関節腔と呼ばれる関節内部の空間に、造影剤を注入します。造影剤には、ヨードなどの物質を含む造影剤や、空気などが用いられます。造影剤が関節腔に広がると、レントゲンやCTなどの画像検査で、関節内の軟骨、靭帯、関節包などの状態が鮮明に映し出されるようになります。アルトログラフィーは、関節リウマチ、変形性関節症、関節内骨折、靭帯損傷などの診断に役立ちます。特に、関節軟骨の損傷や関節包の炎症など、他の画像検査では分かりづらい病変の診断に威力を発揮します。検査自体は比較的短時間で終了し、身体への負担も少ないのが特徴です。ただし、穿刺針を関節に刺すため、まれに痛みや出血、感染などの合併症が起こる可能性があります。検査を受ける際は、事前に医師から検査のメリットとデメリットについて十分な説明を受け、不安な点があれば質問することが大切です。
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進化する医療画像診断:マルチスライスCTとは

医療現場において、体の内部を詳しく知ることができる技術は、病気の診断や治療に欠かせないものです。その中でも、CT検査は、体の断面を画像として映し出すことで、医療に大きな革新をもたらしました。 CT検査は、X線を用いて体の様々な角度からの画像を撮影し、コンピューター処理によって体の内部を詳細に再現します。従来のレントゲン検査では、骨や心臓などの大きな構造しか分からなかったのに対し、CT検査では、臓器や血管、さらには腫瘍などの病変もはっきりと映し出すことができます。このため、病気の原因究明や正確な診断に大きく貢献しています。 CT検査が普及する以前は、体の内部の状態を調べるために、実際に患部を切り開いて確認する外科手術が必要となる場合もありました。しかし、CT検査の登場によって、患者さんは体の負担の大きい手術を受けずに、体内の状態を知ることができるようになりました。これは、患者さんにとって肉体的、精神的な負担を大きく軽減するだけでなく、医療現場全体の安全性の向上にもつながっています。 現在では、CT検査は医療現場において幅広く活用されており、病気の早期発見や適切な治療方針の決定に欠かせない検査方法として、重要な役割を担っています。
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