睡眠中の音:いびきの謎
私たちは眠っている間、意識して呼吸をする必要がありません。これは、呼吸に関わる筋肉が休んでいる状態になるからです。この筋肉の弛緩は、気道の周りの組織、特に舌の付け根や軟口蓋と呼ばれる部分が重力によって喉の奥に沈み込みやすくなることを意味します。
その結果、空気の通り道である気道が狭くなってしまいます。そして、狭くなった気道を空気が通過する際に、周りの組織を振動させます。これが、あの独特ないびきの音の原因です。
例えるならば、リコーダーを思い浮かべてみてください。リコーダーは、息を吹き込むことで内部の空気が振動し、音が出ます。いびきも同じように、狭くなった気道を空気が通ることで振動が起こり、音が発生するのです。
ただ、いびきの音が大きいからといって、必ずしも健康に問題があるわけではありません。しかし、過剰な眠気や日中の集中力低下などを伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の可能性も考えられます。心配な方は、医療機関に相談することをお勧めします。