COPD

呼吸器

COPD:知っておきたい肺の病気

- COPDとはCOPDは、「慢性閉塞性肺疾患」の略称で、肺の病気の一つです。 肺には、空気の通り道である気道と、酸素を取り込むための小さな袋状の組織である肺胞があります。COPDになると、これらの気道や肺胞に異常が生じ、呼吸をする際に空気の通り道が狭くなってしまいます。主な症状としては、慢性的な咳や痰、そして息切れなどが挙げられます。 これらの症状は、最初は軽いことが多く、風邪と間違えられることもあります。しかし、COPDは進行性の病気であるため、放置すると徐々に症状が悪化していきます。 重症化すると、少し動いただけで息切れがするようになり、日常生活に大きな支障をきたすようになります。 COPDは決して珍しい病気ではありません。 国内では500万人以上の患者がいると推定されており、特に中高年の男性に多くみられます。 COPDの主な原因は、喫煙です。 長期間にわたる喫煙は、気道や肺胞に炎症を引き起こし、COPDの発症リスクを高めます。 また、受動喫煙や大気汚染なども、COPDの原因となることがあります。COPDは完治が難しい病気ですが、早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の進行を遅らせ、日常生活の質を維持することが可能です。
呼吸器

CO2ナルコーシス:酸素過剰の落とし穴

- CO2ナルコーシスとはCO2ナルコーシスは、血液中の二酸化炭素濃度が異常に高くなることで、意識がもうろうとしたり、思考力が低下したりする状態を指します。人間の呼吸は、通常、血液中の酸素と二酸化炭素の濃度に応じて無意識に調整されています。酸素が不足したり、二酸化炭素が過剰になると、脳は呼吸中枢に指令を送り、呼吸の速さや深さを調整して、血液中のガス濃度を一定に保とうとします。しかし、肺の病気や呼吸筋の麻痺、閉鎖空間での酸素不足など、様々な原因によってこの呼吸による調整機能がうまく働かなくなると、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し始めます。すると、二酸化炭素は血液に溶け込んで酸性を示すようになり、脳を含む全身の細胞の働きが阻害されてしまいます。これが、CO2ナルコーシスの状態です。初期症状としては、頭痛やめまい、吐き気などが現れ、さらに症状が進むと、意識がもうろうとしたり、判断力が鈍ったり、筋肉の痙攣や昏睡状態に陥ることがあります。CO2ナルコーシスは、適切な治療を行わなければ命に関わる危険な状態です。治療には、酸素投与や人工呼吸器による呼吸管理、原因となっている病気の治療などが行われます。
呼吸器

NPPV:マスクで呼吸を楽にする治療法

- NPPVとは NPPVは、「非侵襲的陽圧換気療法」と呼ばれる治療法のことです。 この治療法は、呼吸が苦しい患者さんに対して、口や鼻に装着したマスクを通して空気を送り込むことで、呼吸をサポートします。この時、NPPVでは一定の圧力で空気を送り込み続ける「陽圧」という方法を用いるのが特徴です。 従来の人工呼吸器のように、口から気管を通して肺に直接管を挿入する「気管挿管」とは異なり、NPPVはマスクを装着するだけなので、患者さんの身体への負担が軽減されます。 また、気管挿管による人工呼吸では、声帯を管が塞いでしまうため発声ができませんが、NPPVでは会話も可能です。そのため、患者さんの苦痛を和らげ、より快適な治療を提供することができます。
呼吸器

知っておきたい肺気腫:症状と予防

- 肺気腫とは肺気腫は、呼吸をする上で重要な役割を担う肺の組織が壊れてしまう病気で、長い期間にわたって症状が現れます。肺は、体の中に酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出する役割を担っています。この働きを担うのが「肺胞」と呼ばれる小さな空気の袋で、肺の中に無数に存在しています。肺気腫では、この肺胞の壁が壊れて弾力を失ってしまうため、うまく空気を出し入れすることが難しくなります。まるで、使い古して伸びてしまった風船のように、肺胞は膨らんだ状態になり、十分に縮まなくなってしまいます。そのため、息を吐くことが特に困難になります。新鮮な空気を取り込むことができず、息苦しさを感じるようになります。肺気腫は、長年の喫煙習慣や有害な物質の吸入、また、まれに遺伝などが原因で発症すると考えられており、一度壊れてしまった肺胞は元に戻ることはありません。そのため、早期発見と治療、そして禁煙などの予防策が非常に重要となります。
呼吸器

NPPV:マスクで呼吸を楽にする治療法

- NPPVとはNPPVは、「非侵襲的陽圧換気療法」の略称で、呼吸機能が低下した患者さんの呼吸をサポートする治療法です。口や鼻に装着したマスクを通して空気を送り込むことで、自発呼吸を助けます。従来の人工呼吸器とは異なり、気管挿管のように喉に管を入れる必要がありません。そのため、患者さんへの負担が少なく、苦痛の少ない治療法として注目されています。NPPVは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症などの慢性呼吸不全、心不全、神経筋疾患など、様々な疾患に用いられます。呼吸困難の改善、入院期間の短縮、生命予後の改善などの効果が期待できます。NPPVの大きなメリットは、患者さんの意識がはっきりした状態で治療が行える点です。会話や食事も可能で、日常生活の質を維持しながら治療を継続することができます。ただし、NPPVが適応となるかどうかは、患者さんの病状や全身状態などを考慮して慎重に判断する必要があります。また、NPPVの開始や管理には、専門的な知識と技術が必要です。医師や呼吸療法認定士などの医療従事者によって適切に実施されることが重要です。
呼吸器

COPD:知っておきたい肺の病気

- COPDとはCOPDは「慢性閉塞性肺疾患」の略称で、肺の気道と肺胞に異常が起こり、息苦しさや咳などの症状が慢性的に続く病気です。 肺の気道は、空気の通り道となる器官で、空気は気管支を通って肺胞へと送られます。肺胞は、ぶどうの房のように小さな袋が集まった構造をしていて、ここで血液中に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換が行われています。 COPDを発症すると、これらの気道や肺胞に炎症が起こったり、気道が狭くなったり、肺胞が破壊されたりします。その結果、呼吸をするときに空気の通りが悪くなり、十分な酸素を体内に取り込めなくなるのです。 COPDは進行性疾患であるため、病気が進むと、日常生活でのちょっとした動作でも息切れがするようになります。例えば、階段の上り下りや少し速く歩いただけでも息苦しさを感じるようになり、最終的には安静時にも呼吸困難に陥ることがあります。このような状態になると、日常生活に支障をきたし、生活の質は著しく低下してしまいます。 COPDは決して珍しい病気ではなく、国内では500万人以上が罹患していると推定されています。特に、加齢とともに罹患率が高くなる傾向があり、中高年の喫煙経験者は注意が必要です。
PAGE TOP