「B」

小児科

BTシャント:心臓の働きを助ける手術

- BTシャントとは?BTシャントは、生まれつき心臓に疾患を持つ赤ちゃんに行われる手術の一つです。正式名称はブラロック・タウシグシャントと言い、この手術方法を開発した二人の医師、ブラロック氏とタウシグ氏の名前から名付けられました。では、BTシャントはどのような手術なのでしょうか。簡単に言うと、心臓から肺に血液を送る流れを改善する手術です。生まれつき心臓に病気を持つ赤ちゃんの中には、心臓から肺に血液を送り出す機能が弱い場合があります。すると、体が酸素を十分に受け取ることができず、呼吸が苦しくなったり、顔色が悪くなったりします。そこで、BTシャントという手術が必要になります。この手術では、鎖骨下動脈と肺動脈という二つの血管を人工血管で繋ぎます。鎖骨下動脈は心臓から出て上半身に血液を送る血管、肺動脈は心臓から肺に血液を送る血管です。この二つの血管を人工血管で繋ぐことによって、心臓から出た血液の一部が直接肺に流れるようになります。BTシャントは、心臓から肺に血液を送るバイパスのような役割を果たし、酸素を十分に取り込めていない心臓の負担を軽くします。これにより、赤ちゃんの呼吸が楽になり、顔色が良くなり、成長が促されます。BTシャントは、その後の心臓手術までのつなぎの役割を担うことが多く、赤ちゃんの成長に合わせて、より根本的な治療が行われていきます。
消化器

B型肝炎:沈黙のウイルスとの闘い

- はじめに B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる肝臓の病気です。このウイルスは、血液や体液を介して人から人に感染します。感染すると、肝臓で炎症が起こり、さまざまな症状が現れます。 B型肝炎の特徴の一つに、自覚症状が少ないことが挙げられます。そのため、自分が感染していることに気づかないまま、病気を進行させてしまうケースも少なくありません。このようなことから、B型肝炎は「沈黙のウイルス」とも呼ばれています。 B型肝炎を放置すると、肝硬変や肝臓がんといった重い病気につながる可能性があります。しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることで、病気の進行を抑え、健康な状態を長く保つことが期待できます。 今回は、B型肝炎について、その原因や症状、治療法などを詳しく解説していきます。B型肝炎の予防についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
看護技術

日常生活の自立を支える:BADLとその評価

- BADLとはBADLは「基本的日常生活動作能力」の略称で、人が健康で自立した生活を送るために欠かせない、日常生活における基本的な動作を指します。私たちは毎日何気なく体を動かして生活していますが、その中には意識せずに行っている動作も数多く存在します。BADLは、そうした動作の中でも特に基本的なものを表しており、具体的には以下の6つが挙げられます。1. -家の中での歩行や移動- これは、部屋から部屋へ移動したり、椅子から立ち上がったりといった動作を指します。自分の足で安全に移動できることは、生活の質を大きく左右します。2. -食事- これは、食事を自分の力で口に運び、飲み込む動作を指します。栄養を摂取し、生命を維持する上で欠かせない動作です。3. -衣服の着脱- これは、衣服を自分で着たり脱いだりする動作を指します。季節や状況に合わせた服装を選ぶことは、健康で文化的な生活を送る上で重要です。4. -入浴- これは、浴槽に入ったり出たり、体を洗ったりする動作を指します。清潔を保ち、健康的な生活を送るために必要な動作です。5. -トイレの使用- これは、トイレに行って排泄し、後始末をする動作を指します。基本的な生理現象を適切に処理することは、衛生面からも重要です。これらの動作は、私たちが普段意識せずにできているものばかりですが、病気や怪我、加齢などによってできなくなることもあります。BADLは、人の自立度を測る指標の一つとして、医療や介護の現場で広く用いられています。BADLが低下した場合は、適切なリハビリテーションや介護支援を受けることで、できる動作を増やし、自立した生活を維持・向上させることが重要です。
小児科

結核予防の切り札:BCGワクチン

結核は、結核菌という細菌によって引き起こされる感染症です。主に肺に感染しますが、リンパ節や骨、脳など、体の様々な場所に病巣を作ることもあります。症状としては、咳や痰、微熱などが挙げられます。初期症状は風邪に似ており、自覚症状が少ない場合もあるため、感染に気付かない場合もあります。 結核は、適切な治療を行えば治癒する病気です。しかし、治療が遅れたり、中断したりすると、症状が悪化し、呼吸困難や胸痛、血痰などが現れることがあります。さらに重症化すると、呼吸不全や心臓への負担増加など、命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。 BCGワクチンは、この結核を予防するために開発されたワクチンです。日本では、生後1歳未満の乳幼児に接種することが推奨されています。BCGワクチンは、結核菌に対する免疫を体内に作り出すことで、発病のリスクを減らし、重症化を防ぐ効果が期待できます。 結核は、空気感染によって人から人に感染します。感染者の咳やくしゃみ、会話などによって空気中に飛び散った結核菌を吸い込むことで感染します。感染を防ぐためには、咳エチケットを徹底することや、換気をこまめに行うなど、日常生活の中で予防対策を心がけることが重要です。
健康寿命

日常生活の自立を支える:BADLとその評価

- 基本的生活動作能力(BADL)とはBADLとは、Basic Activity of Daily Livingの略称で、日本語では「基本的日常生活動作能力」と言います。人が健康的に、そして自立して日常生活を送る上で欠かせない、ごく基本的な動作を指します。具体的には、歩く、移動する、食事をとる、服を着替える、入浴する、トイレへ行くといった動作が挙げられます。これらの動作は、一見当たり前にできているように思えますが、加齢や病気、怪我などによって困難になる場合があります。 例えば、加齢に伴い筋力が低下すると、歩くことが困難になったり、立ち上がったり座ったりする動作がスムーズにできなくなったりすることがあります。また、脳卒中などの病気の後遺症によって、手足の麻痺が残ってしまうと、食事や着替え、トイレ動作が難しくなることもあります。 BADLは、これらの動作がどの程度できるかを評価することで、その人の自立した生活の度合いを測る指標となります。介護が必要な状態かどうかを判断したり、適切な介護サービスの利用を検討したりする際に、重要な要素となります。また、リハビリテーションの現場では、BADLの改善を目標に、様々な訓練が行われます。
看護技術

日常生活における基本動作:BADL

- 日常生活動作とBADL 私たちは毎日、朝起きてから夜寝るまで、様々な動作を行っています。 例えば、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、服を着替えたりと、これらはごく当たり前の行為であり、特に意識することなく行っている方がほとんどでしょう。 これらの動作は「日常生活動作」、英語で「Activities of Daily Living」、略して「ADL」と呼ばれ、健康を維持し、自立した生活を送る上で非常に重要です。 ADLは大きく分けて「BADL(Basic Activity of Daily Living基本的日常生活動作)」と「IADL(Instrumental Activity of Daily Living手段的日常生活動作)」の2つに分類されます。 BADLは、生命を維持するために必要不可欠な動作であり、具体的には食事、排泄、移動などが挙げられます。 食事は栄養を摂取するために、排泄は体内の老廃物を排出するために、移動は自分の意志で場所を移動するために、それぞれ欠かせない動作です。 一方、IADLは、より複雑な動作や社会生活を送る上で必要となる動作を指し、掃除、洗濯、料理、買い物、金銭管理などが挙げられます。 これらの動作は、必ずしも自分一人で行う必要はなく、家族や周囲の人の助けを借りることで、自立した生活を送ることができる場合もあります。
検査

健康のバロメーター:BMIについて

- 体格指数(BMI)についてBMIとは、Body Mass Indexの略称で、日本語では体格指数と訳されます。これは、身長と体重から算出される数値であり、肥満度を客観的に評価するために広く用いられています。BMIの計算式は非常に簡単です。体重(キログラム) ÷ 身長(メートル) ÷ 身長(メートル)で求められます。例えば、身長が1.75メートル、体重が70キログラムの人のBMIは、70 ÷ 1.75 ÷ 1.75 = 22.9となります。BMIは、国際的な基準値に基づいて、以下の通りに分類されます。* 18.5未満低体重* 18.5以上25未満普通体重* 25以上30未満肥満(1度)* 30以上35未満肥満(2度)* 35以上40未満肥満(3度)* 40以上肥満(4度)BMIは、肥満の判定に役立つ指標ですが、体脂肪率や筋肉量を考慮していないため、アスリートや高齢者の方などでは、BMIだけで肥満度を判断することが適切ではない場合があります。あくまでも目安として捉え、健康状態の確認には、医師の診断を受けるようにしましょう。
検査

BMI:肥満度を知るための指標

- BMIとはBMIは、Body Mass Indexの頭文字を取ったもので、日本語では体格指数と訳されます。これは、身長と体重から算出される数値で、あなたの体が身長に対してどの程度の重さであるかを示す指標です。このBMIの値を見ることで、肥満度を客観的に判断することができます。計算式は単純で、体重(キログラム) ÷ 身長(メートル) ÷ 身長(メートル)で求められます。例えば、身長が1.75メートル、体重が70キログラムの方であれば、70 ÷ 1.75 ÷ 1.75 = 22.9となります。BMIは、単に太っているか痩せているかを判断するだけでなく、健康状態の目安として用いられます。一般的に、BMIが18.5未満は「低体重」、18.5以上25未満は「普通体重」、25以上30未満は「肥満度1」、30以上35未満は「肥満度2」、35以上は「肥満度3」と分類され、それぞれに健康上のリスクが異なります。ただし、BMIはあくまで目安であり、体脂肪率や筋肉量などを考慮していないため、人によってはBMIだけでは正確な肥満度を測れない場合もある点は留意が必要です。例えば、アスリートのように筋肉量が多い方は、BMIが高くても肥満と判断できないことがあります。BMIは健康状態を把握する上で参考になる指標の一つです。日頃から自身のBMIを意識し、健康的な生活習慣を心がけましょう。
検査

健康のバロメーター:BMIについて

- BMIとは何かBMIは、ボディマス指数(Body Mass Index)の略で、身長と体重のバランスから算出される、肥満度を示す指標です。身長に対して体重がどのくらいか、数値で表すことができます。計算式はいたってシンプルで、「BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」で求められます。 例えば、身長1.70m、体重60kgの人の場合、BMIは 60 ÷ 1.70 ÷ 1.70 = 20.76 となります。このBMIの値は、世界保健機関(WHO)でも採用されている国際的な基準と照らし合わせて、自分の健康状態を客観的に把握するために用いられます。BMIは、肥満の程度を判定するだけでなく、健康リスクを評価するためにも役立ちます。BMIが低い場合は低体重が疑われ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まるとされています。逆に、BMIが高い場合は肥満が疑われ、動脈硬化や心臓病などのリスクが高まると考えられています。しかし、BMIはあくまでも統計的な指標の一つに過ぎません。筋肉量が多いアスリートなどは、BMIが高くても必ずしも肥満とは言えない場合もあります。そのため、BMIだけで健康状態を判断するのではなく、医師の診察や他の検査結果も合わせて総合的に判断することが重要です。
消化器

B型肝炎:沈黙のウイルスとの闘い

- ウイルスによる肝臓の病気肝臓は、栄養の分解や貯蔵、有害物質の解毒など、生命維持に欠かせない役割を担う重要な臓器です。この肝臓は、沈黙の臓器とも呼ばれ、初期段階では自覚症状が出にくいという特徴があります。しかし、ウイルスなどの影響で炎症が起き、放置すると徐々に機能が低下し、肝硬変や肝臓がんといった重い病気へと進行する可能性があります。ウイルスによる肝臓の病気の一つに、B型肝炎が挙げられます。これは、B型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を介して肝臓に感染することで発症する病気です。HBVに感染すると、肝臓に炎症が起こり、倦怠感や食欲不振、黄疸などの症状が現れます。HBVの主な感染経路は、血液感染、性行為感染、母子感染の3つです。血液感染は、HBVに汚染された血液を輸血したり、注射針を共用したりすることで感染します。性行為感染は、HBVに感染している人と性交渉を持つことで感染します。母子感染は、HBVに感染している母親から出産時に赤ちゃんに感染します。B型肝炎は、慢性化すると肝硬変や肝臓がんのリスクが高まるため、早期発見・早期治療が重要となります。ワクチンを接種することで、HBVの感染を予防することができますので、医療機関に相談するようにしてください。

お薬手帳の「b.i.d.」って?

病院で処方された薬を、指示された通りに服用することは、治療効果を高め、副作用のリスクを減らすために非常に重要です。薬の袋や薬手帳には、服用方法に関する様々な情報が記載されていますが、その中でも服用回数は特に注意が必要です。 服用回数は、薬の効果が持続する時間や、体への負担などを考慮して決められています。例えば、「b.i.d.」という記号を見たことがあるでしょうか。これは、ラテン語で「1日に2回」を意味する「bis in die」を省略したものです。つまり、「b.i.d.」と書かれている場合は、朝と晩など、1日を2回に分けて服用する必要があることを示しています。 薬によっては、食前、食後、食間など、服用するタイミングが決められている場合もあります。また、自己判断で服用回数を減らしたり、中止したりすると、症状が悪化したり、副作用が出やすくなる可能性があります。 薬を正しく服用するために、薬の袋や薬手帳に記載されている服用回数や服用時間を必ず確認しましょう。 もし、服用方法について不明な点があれば、医師や薬剤師に相談することが大切です。
血液

免疫の立役者:B細胞の働き

私たちの体には、ウイルスや細菌などの病原体や、体内で発生するがん細胞から身を守る、免疫という優れた防御システムが備わっています。この免疫システムにおいて、中心的な役割を担うのがリンパ球です。リンパ球は、血液やリンパ液に乗って体中を巡り、異物を発見すると攻撃します。 リンパ球には、大きく分けてT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の3種類が存在します。それぞれの細胞は、異なる方法で異物を攻撃し、私たちの体を守っています。 T細胞は、免疫反応の中心的な役割を担っています。ヘルパーT細胞は、他の免疫細胞を活性化することで、免疫反応全体を指揮します。キラーT細胞は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を直接攻撃して破壊します。 B細胞は、抗体と呼ばれるタンパク質を作り出すことで異物を攻撃します。抗体は、特定の異物と結合し、その異物を無力化したり、他の免疫細胞による攻撃の標的にしたりします。 NK細胞は、生まれつき備わっている免疫システムの一部で、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を早期に発見し、攻撃します。NK細胞は、他の免疫細胞のように特定の異物を認識する必要がないため、即座に攻撃を開始することができます。
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