急性前骨髄球性白血病:稀少だが治癒可能な白血病
血液は、体中に酸素を届けたり、細菌やウイルスなどの外敵から体を守ったりする重要な役割を担っています。血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった様々な細胞が存在しますが、その中でも、白血球は体を守るために特に重要な役割を担っています。
白血病は、この白血球ががん化してしまう病気です。白血球は、体の中で毎日作られていますが、白血病になると、骨髄という場所で作られる白血球が、がん細胞に変化してしまいます。がん化した白血球は、正常な白血球のように働くことができず、増殖を繰り返して骨髄を占拠してしまいます。その結果、正常な血液細胞が作られなくなり、様々な症状が現れるようになります。
白血病には、大きく分けて急性と慢性の二つ、さらにそれぞれに骨髄性とリンパ性という種類があります。急性骨髄性白血病(AML)は、白血病の中でも進行が早く、放置すると命に関わる病気です。急性前骨髄球性白血病(APL)は、このAMLに分類される病気の一つで、AML全体の約10%と、比較的稀な病気ですが、適切な治療を行うことで治癒が期待できる白血病としても知られています。