患者の快適と回復を支える体位変換
- 体位変換とは何か体位変換とは、寝ている人の体の向きや姿勢を定期的に変えるケアのことです。特に、病気や怪我などで長時間ベッドで過ごす必要がある方にとって、このケアは非常に重要です。人は誰でも、同じ姿勢を長時間続けていると、体に負担がかかってしまいます。例えば、椅子に座り続けていると、お尻や腰が痛くなってくることがありますよね。これは、体重が特定の場所に集中し続けることで、血行が悪くなったり、皮膚が圧迫されたりするためです。寝たきりの方の場合、自分で体の向きや姿勢を変えることが難しい場合が多く、長時間同じ姿勢を強いられることになります。すると、お尻や背中、かかとなどに負担が集中し、床ずれ(褥瘡)と呼ばれる皮膚の潰瘍ができてしまうことがあります。床ずれは、重症化すると治癒が難しく、痛みや不快感を伴うため、予防が何よりも重要です。また、体位変換には、床ずれの予防以外にも、肺炎や尿路感染症などの合併症を防ぐ効果もあります。体の向きを変えることで、肺に空気が入りやすくなったり、尿の流れが良くなったりするためです。さらに、筋肉や関節の萎縮や拘縮を予防する効果も期待できます。体位変換は、患者さんの体の状態や、医師や看護師の指示に従って行う必要があります。具体的には、どのような姿勢にするか、どのくらいの頻度で変えるか、などが異なります。家族や介護者が体位変換を行う場合は、正しい方法を習得しておくことが大切です。