鼻腔

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アデノイド:小児期に腫大しやすい組織

- アデノイドの位置と役割 アデノイドは、鼻の奥、喉の入り口の上壁に位置するリンパ組織の塊です。ちょうど口蓋垂(いわゆる「のどちんこ」)の上あたりに位置し、鼻から吸い込んだ空気の通り道に存在しています。 アデノイドは、扁桃腺や口蓋扁桃と同じように、リンパ組織が集まってできています。リンパ組織は、体中に張り巡らされた免疫システムの一部であり、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る重要な役割を担っています。 アデノイドは、鼻から吸い込んだ空気中のウイルスや細菌をキャッチし、免疫反応を引き起こすことで、体を守る役割を担っています。具体的には、アデノイドに侵入してきた病原体に対して、リンパ球などの免疫細胞が攻撃をしかけ、排除しようとします。 このようにアデノイドは、外部から侵入してくる病原体を最初に感知し、撃退するための最前線の防御壁として機能しているのです。 なお、アデノイドは乳幼児期に最も大きく発達し、思春期以降は徐々に縮小していきます。そのため、大人になるとほとんど目立たなくなる場合も多いです。
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副鼻腔:鼻の中の隠れた空間

- 副鼻腔とは私たちの顔の骨の中は、空洞で満たされている部分があり、これを副鼻腔と呼びます。副鼻腔は、鼻の奥にある鼻腔と呼ばれる空間に隣接しており、小さな通路で繋がっています。そのため、私たちが呼吸をする際、空気は鼻腔だけでなく、これらの副鼻腔も通過します。副鼻腔は、顔の骨の中に作られた小さな部屋のようなもので、全部で4種類あります。 まず、目の周りに広がる前頭洞は、額の骨の中に位置しています。次に、頬骨の奥にある上顎洞は、副鼻腔の中で最も大きく、その大きさは親指の先ほどもあります。そして、鼻腔の奥の上の方に位置する篩骨洞は、いくつもの小さな空洞が集まった構造をしています。最後に、頭蓋骨の奥深くにある蝶形骨洞は、副鼻腔の中で最も奥に位置しています。 これらの副鼻腔は、鼻腔と共に、吸い込んだ空気を温めたり、湿らせたりする役割を担っています。また、顔面の骨を軽くすることで、頭部の重量を軽減する役割も担っています。さらに、音声を共鳴させて、声質を豊かにする役割も担っています。副鼻腔は、私たちが健康な状態を保つために、重要な役割を担っています。
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くしゃみ:体を守る防御反応

- くしゃみとはくしゃみは、誰もが経験する、ありふれた生理現象です。私たちは、鼻の奥にある粘膜に、ほこりや花粉、ウイルスなどの異物が侵入してくると、それを体外に排出しようとします。その際に起こるのがくしゃみです。くしゃみは、まるで反射のように、瞬間的に起こります。まず、異物を感じ取った鼻の粘膜が刺激され、脳に信号が送られます。すると、脳からの指令で、肺の中に空気をため込み、胸の筋肉や横隔膜が一気に収縮します。その結果、鼻や口から、勢いよく空気が吐き出されるのです。この時、同時に目も閉じられるのは、異物が目に入るのを防ぐためだと考えられています。くしゃみは、一見すると、周囲を驚かせてしまうような激しい反応です。しかし、それは決して恥ずべきことではありません。むしろ、私たちの体を守るための、重要な防御反応なのです。くしゃみを我慢してしまうと、異物を体外に排出できず、かえって症状が悪化してしまう可能性もあります。ですから、くしゃみをしたい時は、思い切ってした方が良いでしょう。ただし、周囲に人がいる場合は、ハンカチやティッシュなどで口と鼻を覆うなど、エチケットを守ることが大切です。
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咽頭:呼吸と消化の交差点

- 咽頭の位置と構造咽頭は、頭蓋骨の底部から、およそ首の骨の6番目にあたる第6頸椎の高さまで続く、長さ約12cmの管状の器官です。その壁は筋肉でできており、食べ物を飲み込むなどの動きに関わっています。形は漏斗を逆さにしたような形で、上の方は広がっていて、下に行くにつれて狭くなっていきます。咽頭は、鼻の奥にあたる鼻腔と、口の奥にあたる口腔の後ろ側に位置しています。そして、下は喉頭と食道につながることで、呼吸と食事という二つの重要な役割を担っています。鼻で吸い込んだ空気は、鼻腔を通って咽頭を通り、喉頭から気管へと送られます。一方、口から入った食べ物は、口腔から咽頭を通り、食道へと送られます。このように、咽頭は空気と食物の共通の通路となっているため、誤って食べ物が気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)が起こることがあります。咽頭は、その上部から上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分けられます。上咽頭は鼻腔の奥に位置し、中咽頭は口腔の奥に位置します。下咽頭は喉頭と食道の入り口に位置し、食物と空気の通り道を分ける重要な役割を担っています。
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