食道

耳鼻科

咽頭:呼吸と消化の交差点

- 咽頭の位置と構造咽頭は、頭蓋骨の底部から、およそ首の骨の6番目にあたる第6頸椎の高さまで続く、長さ約12cmの管状の器官です。その壁は筋肉でできており、食べ物を飲み込むなどの動きに関わっています。形は漏斗を逆さにしたような形で、上の方は広がっていて、下に行くにつれて狭くなっていきます。咽頭は、鼻の奥にあたる鼻腔と、口の奥にあたる口腔の後ろ側に位置しています。そして、下は喉頭と食道につながることで、呼吸と食事という二つの重要な役割を担っています。鼻で吸い込んだ空気は、鼻腔を通って咽頭を通り、喉頭から気管へと送られます。一方、口から入った食べ物は、口腔から咽頭を通り、食道へと送られます。このように、咽頭は空気と食物の共通の通路となっているため、誤って食べ物が気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)が起こることがあります。咽頭は、その上部から上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分けられます。上咽頭は鼻腔の奥に位置し、中咽頭は口腔の奥に位置します。下咽頭は喉頭と食道の入り口に位置し、食物と空気の通り道を分ける重要な役割を担っています。
消化器

食物の通り道:食道の役割と構造

私たちは毎日食事を楽しみますが、口にした食べ物がどのようにして体の中に取り込まれていくのか、詳しく知る人は少ないかもしれません。食べ物の入り口である口から、栄養を吸収する胃までをつなぐ重要な器官、それが「食道」です。 食道は、ちょうど口と胃を繋ぐパイプのようなもので、長さは約25cmあります。普段は食べ物が通らない時は、薄い板状の形をしていますが、食べ物が通過する際には大きく広がり、その柔軟性によって食べ物をスムーズに胃へと送り込みます。 食道自体には、食べ物を消化する機能はありません。しかし、内壁にある筋肉が規則的に収縮と弛緩を繰り返す「蠕動運動」によって、食べ物を胃へと押し出すという重要な役割を担っています。この蠕動運動のおかげで、私たちは重力に逆らって食べ物を飲み込むことができるのです。 このように、食道は食べ物を胃に運ぶだけの単純な管のように思えるかもしれません。しかし実際には、柔軟性と蠕動運動という2つの特徴によって、私たちが食事を安全かつスムーズに楽しむために、重要な役割を担っているのです。
消化器

逆流性食道炎とは?

- 逆流性食道炎の概要逆流性食道炎は、食べ物が胃から食道へ逆流することで、胸やけや炎症を引き起こす病気です。普段は、食道と胃の境目にある筋肉(下部食道括約筋)がしっかりと閉まり、胃の内容物が逆流するのを防いでいます。しかし、様々な要因でこの筋肉の働きが弱まったり、胃酸の分泌が増えたりすると、胃の内容物が食道に逆流してしまうことがあります。これが繰り返し起こることで、食道の粘膜が胃酸によって刺激され、炎症を引き起こします。主な症状としては、胸やけ、吐き気、口の中に酸っぱい液体がこみ上げてくるなどがあります。その他にも、咳、声がれ、胸の痛み、喉の違和感、飲み込みにくさなどの症状が現れることもあります。これらの症状は、食後や横になった際に悪化する傾向があります。逆流性食道炎は、食生活の乱れ、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどが原因で起こると考えられています。また、加齢に伴い下部食道括約筋の機能が低下することも、発症のリスクを高める要因となります。症状が軽度の場合は、生活習慣の改善や市販薬の使用で症状が和らぐこともあります。しかし、症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。放っておくと、食道狭窄や食道がんといった合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
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