他動運動:その役割と重要性
- 他動運動とは他動運動とは、文字通り、自分以外の力で身体を動かす運動のことを指します。普段私たちが何気なく行っている運動の多くは、脳からの指令で筋肉が収縮し、関節を動かしています。このような運動を「能動運動」と呼びますが、他動運動はこれとは異なり、自分の意志とは関係なく、あるいは自分の力だけでは動かせない状態でも、外部からの力によって関節を動かすことを言います。具体例として、怪我や病気などで腕が上がらなくなった方が、理学療法士に支えてもらいながら腕を上げ下げする様子を想像してみてください。この場合、本人は腕を動かそうという意志はあっても、自分の力だけでは腕を動かすことはできません。しかし、理学療法士の手を借りることで、本来であれば動かすことが難しい腕を上下に動かすことができます。これが他動運動です。他動運動は、関節の柔軟性を維持したり、筋肉や関節の拘縮を予防したりする効果があります。また、脳卒中などで麻痺が残ってしまった方のリハビリテーションとしても重要な役割を担っています。外部からの刺激によって、脳に運動を再学習させる効果も期待できるからです。このように、他動運動は私たちが健康な身体を維持し、運動機能を回復するために行われる重要な運動の一つと言えるでしょう。