静かなる脅威:間質性肺炎を知る
- 呼吸の陰に潜む病気「間質性肺炎」。あまり聞き慣れない病名かもしれません。しかし、近年、患者数が増加傾向にある病気の一つです。私たちが、当たり前のように行っている呼吸。その陰で、肺では、体中に酸素を送り込むために、休むことなく働いています。 肺の中に、「肺胞」と呼ばれる小さな袋がたくさんあり、ここで、血液中に酸素を取り込み、代わりに二酸化炭素を排出するという、ガス交換が行われています。「間質性肺炎」は、この肺胞の周囲にある「間質」と呼ばれる組織に炎症が起こる病気です。間質は、肺胞を支え、その形を保つ役割を担っています。この間質に炎症が起こると、肺が硬くなり、酸素を十分に取り込めなくなります。初期症状としては、「息切れ」や「乾いた咳」がみられます。しかし、これらの症状は、他の病気でもみられることがあり、また、初期の段階では自覚症状がほとんどない場合もあるため、発見が遅れてしまうこともあります。間質性肺炎の原因は、様々です。喫煙、ハウスダスト、カビ、ウイルス感染、薬の副作用などが挙げられますが、原因が特定できない場合もあります。間質性肺炎は、放置すると、肺の線維化が進み、呼吸不全に至ることもあります。早期発見、早期治療が重要となる病気です。