酸素を運ぶ赤い細胞:赤血球
- 赤血球とは人間の体内には、全身に栄養や酸素を運ぶ血液が流れています。その血液の中で、最も数が多く、赤い色をしているのが赤血球です。顕微鏡で観察すると、中央が少しへこんだ円盤状の形をしており、大きさは直径約7マイクロメートル、厚さは約2マイクロメートルしかありません。これは、1ミリメートルのわずか100分の1ほどの大きさです。
赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。私達が呼吸によって肺に取り込んだ酸素は、まず肺胞という小さな袋に入ります。そして、肺胞を取り囲む毛細血管の中にある赤血球に酸素が取り込まれます。赤血球の中には、ヘモグロビンという赤い色をした鉄を含むタンパク質が豊富に含まれており、このヘモグロビンが酸素と結びつくことで、効率よく酸素を全身に運ぶことができるのです。
酸素を届けた赤血球は、今度は体内を巡る中で、細胞から排出された二酸化炭素を受け取ります。そして、二酸化炭素を肺まで運び、私達は呼吸によって二酸化炭素を体外へ排出します。このように、赤血球は酸素と二酸化炭素を運ぶ、いわば「体の中の宅配便」のような役割を果たし、私達の生命活動に欠かせない存在なのです。