超音波:音の波が拓く医療の未来
- 超音波とは超音波は、人間の耳では聞くことのできない、高い周波数を持つ音波のことです。私たちは、空気の振動によって音を聞いていますが、この振動が1秒間に何回繰り返されるかを表すのが周波数で、単位はヘルツ(Hz)を用います。人間が耳で聞くことのできる音の周波数は、一般的に20ヘルツから2万ヘルツ程度とされています。これに対し、超音波は2万ヘルツを超える高い周波数を持つ音波のことを指します。この高い周波数を持つ超音波は、様々な分野で利用されていますが、特に医療分野における活躍が目覚ましいと言えるでしょう。医療分野では、超音波は主に画像診断に用いられています。人体に超音波を当てると、その一部は体内の組織や臓器の境界面で反射されて戻ってきます。この反射された超音波を捉え、画像化することで、体内の様子を詳しく観察することが可能となります。超音波検査は、放射線を使用しないため人体への負担が少なく、安全性の高い検査方法として広く普及しています。また、リアルタイムで体内の様子を観察できるため、心臓などの動きの速い臓器の診断にも適しています。