変わる医療現場:DPC制度とその影響
- DPC制度とはDPC制度は、診断群分類包括評価制度の略称で、病院における入院医療費の支払い方法の一つです。従来は、患者さんが入院中に受けた検査や治療などの医療行為ごとに費用を積み上げて計算していました。しかし、2003年から導入されたDPC制度では、病気の種類や症状の重さ、診療内容に応じて患者さん一人ひとりを診断群分類(DPC)というグループに分け、1日あたりの定額の費用を請求する仕組みに変わりました。この制度では、入院中に受けた検査や治療などの費用は、あらかじめ決められた1日あたりの定額の中に含まれているとみなされます。つまり、検査や治療を多く行っても、その分の費用が上乗せされるわけではありません。DPC制度の導入は、病院にとっては、患者さん一人ひとりに適切な医療を提供することで、医療の質を維持しながら、経営の安定化を図ることができるというメリットがあります。一方、患者さんにとっては、入院期間中の費用が予測しやすくなるというメリットがあります。しかし、DPC制度の導入によって、病院は入院期間を短縮しようとするのではないか、という懸念の声もあがっています。厚生労働省は、このような懸念を払拭するため、病院に対して、適切な医療を提供するよう指導するとともに、患者さんに対しては、DPC制度の内容について、わかりやすく情報提供を行うよう努めています。