診断

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家族歴:病気のリスクを知る手がかり

家族歴とは、血縁関係にある家族が過去にかかった病気や、現在治療中の病気、あるいは体質などを記録したものを指します。具体的には、両親や祖父母、兄弟姉妹、叔父叔母といった親族の健康状態に関する情報が該当します。 家族歴が重要な理由として、家族間では遺伝的な体質や生活習慣が似ていることが多く、特定の病気を発症するリスクが共有される可能性があることが挙げられます。例えば、親や兄弟に癌や心臓病、糖尿病、高血圧といった生活習慣病を患っている人がいる場合、自身もこれらの病気を発症するリスクが高くなると考えられています。 自身の健康状態を把握し、将来的な病気のリスクを予測するためには、家族歴について把握しておくことが重要です。かかりつけの医師の診察を受ける際に、家族歴を伝えることで、より適切なアドバイスや治療を受けることができる可能性があります。
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医療の原点:問診の重要性

- 問診とは何か問診とは、医師が患者さんから直接お話を伺い、病気の診断の手がかりを得るための大切なプロセスです。患者さんが自分の言葉で症状や経過を伝えることで、医師は病気の全体像を把握することができます。問診では、まず現在の症状について詳しく伺います。いつから、どのような症状が現れたのか、痛みの程度や部位、症状の変化などを具体的に伝えてください。過去の病気や怪我、手術の経験なども、診断の重要な手がかりになります。次に、生活習慣や体質に関する質問をします。喫煙や飲酒の習慣、食生活、睡眠時間、運動習慣、アレルギーの有無、服用中の薬、過去の海外渡航歴などを伺うことで、病気の原因やリスク因子を特定していきます。また、家族の病歴も重要な情報です。 血縁者に同じような病気にかかった人がいる場合は、遺伝的な要因も考慮する必要があります。問診は、医師が患者さんを理解し、信頼関係を築くための第一歩です。 安心して話せる雰囲気の中で、包み隠さず伝えるように心がけましょう。医師も患者さんの訴えに耳を傾け、丁寧な説明と適切な診療を心がけています。
検査

骨髄穿刺:血液疾患診断の決め手

- 骨髄穿刺とは骨髄穿刺は、血液の病気である血液疾患を診断する上で、非常に重要な検査の一つです。人の血液は、骨の中心部に存在する、スポンジのように柔らかく、多くの空洞を持つ組織である骨髄で作られています。この骨髄で作られた血液細胞は、やがて骨髄から血液中に移動し、体全体へと循環していきます。 骨髄穿刺では、この骨髄で作られる血液の状態を詳しく調べるために、骨髄液を採取します。具体的には、腰の骨に針を刺し、そこから少量の骨髄液を採取します。採取した骨髄液は、顕微鏡を用いて観察することで、血液細胞の種類や数、成熟度などを詳しく調べることが可能となります。 これらの情報から、白血病や悪性リンパ腫、再生不良性貧血などの血液疾患の有無や、その進行状況を診断することができます。また、病気の治療効果を判定したり、再発の兆候を早期に発見するためにも重要な検査です。
検査

カルテ用語「s/o」って何?

医療現場では、患者さんの状態や治療方針などを記録するカルテや、医師同士の会話の中で、様々な略語が日常的に使われています。これは、医療従事者たちが限られた時間の中で、簡潔かつ正確に情報を伝達するために非常に重要な役割を果たしています。 例えば、患者さんの状態を表す「意識レベル」を示す場合、「JCS(ジャパン・コーマ・スケール)」と呼ばれる指標を用い、数字と記号を組み合わせて表現します。意識がはっきりしている状態は「JCS 0」、意識障害が重い場合は「JCS Ⅲ-300」のように表現します。このように、略語を用いることで、患者さんの状態を簡潔に共有することができます。 しかし、その反面、医療従事者以外の人にとっては、これらの略語は暗号のように感じられ、理解が難しいものとなっています。カルテに書かれた内容や、医師の会話の内容が分からず、不安を感じてしまう患者さんも少なくありません。 医療現場では、患者さんにとって分かりやすい言葉で説明することが重要視されています。そのため、近年では、患者さんと接する際には、できるだけ略語を使わずに説明するよう努める医療機関も増えています。患者さんも、分からない言葉があれば、遠慮なく質問することで、安心して治療を受けることができるでしょう。
検査

医療現場の略語:Dxってなに?

医療現場では、正確な情報を簡潔に伝えることが非常に重要です。そのために、様々な略語が日常的に使われています。その中でも「Dx」は「診断」を意味する言葉で、医療従事者の間で広く使われています。 この「Dx」は、英語の「Diagnosis」を省略した形です。診察記録やカルテには、患者さんの症状や検査結果など、多くの情報が書き込まれます。限られたスペースに効率的に情報を記録するため、「診断」のような頻繁に登場する言葉は、短い「Dx」で代用されるのです。 例えば、「急性胃腸炎」と診断された場合、「急性胃腸炎 Dx」のように記録されます。これは、医師や看護師が情報を共有する際に、一目で診断内容を理解できるという利点があります。このように、「Dx」は医療現場において、円滑な情報伝達に役立つ重要な役割を担っているのです。
その他

カルテ用語解説: s/oって何?

病院で診察を受けると、医師や看護師はあなたの症状や治療経過などを記録するためにカルテを書きます。このカルテ、実は患者さん自身が見てもいいものだと知っていましたか? カルテにはあなたの大切な健康情報が詰まっているため、内容を理解することはとても重要です。しかし、いざ見てみると、聞き慣れない記号やアルファベットの羅列に戸惑ってしまうかもしれません。 カルテには、医療現場だけで通じる独特な用語や略語が使われています。これは、医師や看護師が短時間で効率的に情報を共有するためです。しかし、患者さんにとっては「暗号みたいで全然わからない…」と感じてしまうのも無理はありません。そこで今回は、カルテによく書かれている記号の中から「s/o」について詳しく解説していきます。 「s/o」は、「suspect of」を省略した言葉で、「〜の疑いがある」という意味です。例えば、「s/o 感染症」と書かれていれば、「感染症の疑いがある」と判断されます。カルテに「s/o」と書かれている場合は、まだ確定診断ではないということを覚えておきましょう。医師は、さらに詳しい検査や診察を通して、本当にその疑いがあるのかどうかを判断していきます。 カルテは患者さん自身の体のことについて書かれた大切な記録です。もし、わからないことや気になることがあれば、遠慮なく医師や看護師に質問してみましょう。
検査

腹水検査:その重要性と診断における役割

- 腹水検査とはお腹に水が溜まることを腹水と言いますが、これは病気のサインであることがあります。そこで、腹水検査を行い、溜まった水の性質を調べることで、原因となっている病気を探ります。-# 検査方法腹水検査は、まずお腹に針を刺して腹水を採取することから始まります。患者さんの体勢は、通常仰向けの状態で、医師が消毒と麻酔を行った後、お腹に針を刺します。採取した腹水は、その色や濁り具合を肉眼で観察します。その後、顕微鏡で細胞の種類や数を調べたり、細菌の有無を培養検査で確認したりします。さらに、タンパク質や糖の量などの生化学的な分析も行われます。これらの検査結果を総合的に判断することで、腹水の原因を探っていきます。-# 腹水検査でわかること腹水検査は、肝臓病、心臓病、腎臓病、がんなど、様々な病気が原因で起こる腹水の診断に役立ちます。例えば、腹水が濁っていて、白血球が多い場合は、細菌感染が疑われます。一方、腹水が透明で、タンパク質が少ない場合は、肝硬変などの肝臓病の可能性が高くなります。腹水検査は、比較的安全な検査ですが、まれに出血や感染などの合併症が起こることがあります。検査を受ける際は、事前に医師から検査内容やリスクについて十分な説明を受け、納得した上で受けるようにしましょう。
消化器

急性虫垂炎の診断:キュンメル点とは

お腹の痛みは、誰もが経験するありふれた症状です。食べ過ぎや消化不良など、一時的なものから、虫垂炎や胆嚢炎といった緊急を要する病気まで、その原因は実に様々です。そのため、医療従事者は、患者さんからお腹の痛みの訴えがあった場合、その場所や痛みの性質、いつから痛むのかなどを詳しく聞き取り、身体診察を行います。 身体診察において重要な役割を果たすのが、圧痛点の確認です。圧痛点とは、お腹を押したときに、他の場所に比べて特に痛みを感じる場所のことです。この圧痛点は、病気の種類によって現れる場所が異なります。例えば、おへその右側が痛む場合は虫垂炎、みぞおちの右側が痛む場合は胆嚢炎などが疑われます。また、痛みの強さも重要な判断材料となります。軽く押しただけで強い痛みを感じる場合は、腹膜炎など、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。 このように、お腹の痛みと一口に言っても、その原因は様々であり、圧痛点は痛みの原因を探る上で重要な手がかりとなります。自己判断は危険ですので、お腹の痛みが続く場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
検査

免疫の鍵を握るCD:細胞表面の小さな目印

私たちの体には、外部から侵入してくる病原体から身を守る、巧妙な仕組みである免疫システムが備わっています。この免疫システムでは、様々な種類の細胞がまるで訓練された軍隊のように連携して、私たちの体を守っています。 しかし、これらの細胞は顕微鏡で観察しても、一見するとどれも同じような形をしています。どのようにして免疫システムは、それぞれの細胞を区別し、正確に任務を遂行させているのでしょうか? その鍵となるのが、細胞の表面に存在する「CD」と呼ばれる目印です。CDは「分化抗原群」の略称で、いわば細胞の「名札」のようなものです。それぞれの細胞は、特定の種類のCDを表面に提示することで、自分がどのような細胞であり、どのような役割を担っているのかを示しています。 免疫細胞は、このCDを識別することで、敵である病原体と味方である自分の細胞を見分けることができます。また、CDの種類によって、細胞が活性化している状態なのか、静止している状態なのかといった情報も得ることができます。 現在、350種類以上のCDが発見されており、免疫学の研究において非常に重要な役割を担っています。CDの研究が進展することで、免疫システムのメカニズムをより深く理解することができ、新たな治療法の開発にもつながると期待されています。
検査

関節リウマチと抗CCP抗体

関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じ、本来体を守るはずの免疫細胞が、自分自身の関節を攻撃してしまうことで起こる病気です。原因はまだはっきりと解明されていませんが、遺伝的な要因と環境要因が複雑に関係していると考えられています。体のあちこちの関節に炎症が起こり、進行すると関節が破壊され、変形してしまうこともある、慢性的な炎症性疾患です。 関節リウマチは、早期に診断し、適切な治療を開始することが非常に重要です。早期に治療を開始することで、炎症を抑え、関節の破壊の進行を遅らせることができます。そして、関節の機能をできるだけ維持し、日常生活の制限を最小限に抑えることが期待できます。 関節リウマチの診断は、患者さんの症状、診察所見、血液検査、画像検査などを総合的に判断して行われます。関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどの症状に加え、血液検査ではリウマチ因子や炎症反応などを調べます。さらに、X線検査で関節の炎症や破壊の程度を評価します。関節リウマチは、放置すると関節の変形が進行し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。早期発見・早期治療によって、病気の進行を抑え、より良い状態を保つことが期待できます。
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原因不明の発熱、その名は不明熱

体温が上がり、体がだるくて熱っぽさを感じると、誰でも不安になりますよね。多くは風邪やインフルエンザといった、原因がはっきりとした病気であることが多いですが、中には原因が分からず、高い熱が長く続くことがあります。これが「不明熱」と呼ばれるものです。 不明熱とは、医学的には「原因不明の発熱」を意味し、文字通り、検査をしても熱の原因が特定できない状態を指します。一般的には、38度以上の発熱が3週間以上続き、1週間入院して検査を続けても原因が分からない場合に、不明熱と診断されます。 風邪やインフルエンザなどは、ウイルス検査で原因ウイルスが特定でき、比較的短期間で解熱することがほとんどです。しかし、不明熱は原因が特定できないため、治療法も原因に対するものとは限りません。場合によっては、対症療法で熱を下げながら、経過観察を行うこともあります。 原因不明の熱が続くという状況は、患者にとって大きな不安や負担となる可能性があります。不明熱は、比較的まれな病気ではありますが、その背後には、感染症、膠原病、悪性腫瘍など、様々な病気が隠れている可能性も考えられます。そのため、自己判断はせず、医療機関を受診し、医師の診断を受けることが重要です。
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