記憶

脳・神経

記憶の番人、海馬の謎を探る

脳の深部には、記憶を司る重要な領域が存在します。それが、側頭葉の奥底に左右対称に位置する海馬です。海馬という名前は、その形がギリシャ神話に登場する海神ポセイドンの馬車に由来しています。海馬は、まるで巻貝のような、あるいは三日月のような、独特の湾曲した形状をしています。この特徴的な形から、ギリシャ語で「馬」を意味する「ヒポス」と「海の怪物」を意味する「カンポス」を組み合わせた「ヒポカンパス」とも呼ばれています。小さく見える海馬ですが、実は脳の働きの中でも特に複雑な記憶の形成に深く関わっています。海馬は、新しい情報の学習や記憶の固定、空間記憶、感情的な出来事の記憶など、多岐にわたる記憶プロセスにおいて重要な役割を担っています。この小さな器官が、私たちの豊かな記憶体験を支えているのです。
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記憶障害:脳の神秘に迫る

- 記憶障害とは何か記憶障害とは、脳の働きに何らかの問題が生じることで、記憶に関する能力に影響が出てしまう状態のことを指します。 私たちは普段の生活の中で、絶えず記憶の力を借りて生活しています。例えば、昨日食べた夕食を思い出す、新しい人の名前を覚える、朝起きたときに顔を洗う、といった行動も、すべて記憶が正常に機能しているからこそできることです。記憶障害が起こると、このような記憶に関連する行動に困難が生じ、日常生活に支障が出てしまうことがあります。 例えば、人の名前が出てこなかったり、約束を忘れてしまったり、時には自分が置かれている状況がわからなくなってしまうこともあります。 記憶障害には、様々な種類と程度があります。 ある特定の期間の記憶だけを失ってしまう場合もあれば、新しいことを全く覚えられなくなってしまう場合もあります。 また、記憶障害の原因も、加齢、ストレス、脳卒中、アルツハイマー病など、実に様々です。記憶障害は、誰にでも起こりうる身近な問題です。 もし、ご自身や周囲の方が記憶に関するトラブルを抱えていると感じたら、早めに医療機関に相談することが大切です。
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