言語障害

資格・職種

コミュニケーションを支える専門家:言語聴覚士

私たちが毎日何気なく行っている「話す」「聴く」「読む」「書く」。これらは全て「コミュニケーション」と呼ばれる、人と人とをつなぐ上で必要不可欠な行為です。しかし、病気や発達段階における問題などによって、こうした行為に困難が生じてしまう人たちがいます。 生まれたときから音が聞き取りにくい子ども、脳卒中の後遺症で言葉を発することが難しくなった高齢者、うまく言葉が出てこなくて悩む学生など、コミュニケーションに困難を抱える人の背景や症状は実に様々です。 音が聞こえづらい、言葉がうまく話せないということは、単に相手の言っていることが理解できない、自分の気持ちを伝えられないというだけではありません。コミュニケーションがうまくいかないと、周囲の人とうまく関係を築くことが難しくなり、孤独を感じやすくなってしまいます。また、就職や社会参加など、人生の様々な場面で困難に直面することもあります。 このような困難を克服し、誰もが円滑なコミュニケーションを取ることができるように、様々な取り組みが行われています。例えば、聴覚に障害のある子どもには、手話や口話、文字によるコミュニケーションなど、その人に合った方法でコミュニケーションを図ります。また、脳卒中の後遺症で言葉が話せなくなった高齢者には、言語聴覚士によるリハビリテーションが行われます。 コミュニケーションは、私たちが人間らしく生きる上で欠かせないものです。困難を抱える人々への理解を深め、誰もが安心してコミュニケーションを取ることのできる社会を築いていくことが大切です。
脳・神経

コミュニケーションの困難:失語症を理解する

- 失語症とは失語症は、脳卒中や頭部外傷などによって脳の一部が損傷を受けることで起こる、コミュニケーションに障害が生じる病気です。 話す、聞く、読む、書くといった、人間が言葉を用いるために必要な様々な機能に影響が現れます。 症状は人によって異なり、特定の機能だけが損なわれることもあれば、複数の機能に障害が出ることもあります。重要なのは、失語症は知能や思考能力の低下とは関係がないということです。 失語症の患者さんは、思考力や感情は損なわれていません。 しかし、 頭の中で考えていることや感じていることを言葉で表現したり、相手の言っていることを理解することが難しくなります。 たとえるなら、外国語を話すことを想像してみてください。 まだ慣れない外国語を話すとき、伝えたいことがうまく言えなかったり、相手の言っていることが理解できなかったりすることがありますよね。 失語症の患者さんは、まるで母国語が外国語になってしまったかのように感じることがあるのです。
脳・神経

高次脳機能障害について

- 高次脳機能障害とは 高次脳機能障害は、交通事故や脳卒中といった病気や怪我によって脳が損傷することで発症します。脳の損傷により、言語、記憶、注意、遂行機能、社会的行動、情緒といった機能に障害が現れ、日常生活に様々な支障をきたす状態を指します。 高次脳機能障害では、具体的な症状として、言葉を発したり理解することが困難になる場合があります。また、新しいことを覚えられなくなったり、覚えが悪くなったりする記憶障害、周りの状況を把握することが困難になる注意障害などもみられます。 さらに、計画を立てたり、物事を順序立てて行うことが難しくなる遂行機能障害、他人とのコミュニケーションがうまくいかなくなる、場にそった行動が取れなくなるといった社会的行動の障害、感情のコントロールが難しくなる情緒障害なども現れることがあります。 これらの症状は、脳の損傷部位や程度によって異なり、一人ひとり症状の出方が異なります。そのため、個々の症状に合わせたリハビリテーションや支援が必要となります。
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