触診

循環器

スリル:心臓の振動を感じ取るとき

- スリルの正体「スリル」とは、心臓が非常に激しく鼓動している際に、その振動を胸の表面に手で触れることで感じ取れる状態のことです。まるで猫が喉をゴロゴロと鳴らしている時のように感じられることから、医学用語では「ネコ鳴き振戦」とも呼ばれています。では、なぜこのような状態になるのでしょうか? 心臓には、血液の逆流を防ぎ、一定方向への流れを保つために「弁」と呼ばれる部分がいくつか存在します。この弁に異常が生じたり、心臓内部の血液の流れに異常が生じたりすると、本来聞こえるはずのない音が発生することがあります。これが「心雑音」と呼ばれる心臓の音が大きくなった状態です。スリルは、この心雑音に伴って現れることがあります。心臓の弁に異常があると、血液がスムーズに流れずに乱れてしまい、その際に発生する振動が胸壁に伝わって触れられるようになるのです。ただし、スリルがあるからといって、必ずしも心臓に重大な異常があるとは限りません。激しい運動後や、妊娠中、貧血の状態などでも一時的に現れることがあります。しかし、スリルの有無に関わらず、心雑音がある場合は、その原因を特定するために医療機関を受診し、医師の診察を受けることが重要です。
検査

わかりやすく解説!腫瘤とは?

「腫瘤」という言葉を耳にしたことがありますか? これは、私たちの体に現れる「できもの」「こぶ」「はれもの」などを、まとめて表す言葉です。 普段、何気なく「しこり」と呼んでいるものも、医学的には腫瘤に含まれます。 重要なのは、「腫瘤」という言葉自体には、それがどのような性質のものなのか、詳しい情報が含まれていないということです。 例えば、炎症が原因でできたものなのか、腫瘍が原因でできたものなのか、また、体に害のない良性のものなのか、放置すると悪化する悪性のものなのか、といった情報は含まれていません。 つまり、原因がはっきりしない体の表面や内部の塊は、とりあえず腫瘤と呼ぶことができるのです。 腫瘤と診断された場合は、それが何によるものなのか、精密検査などを通して詳しく調べる必要があります。
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