眼窩を守る堅牢な壁:眼窩外壁
- 眼窩の構造眼窩は、顔面に左右対称に位置する骨で囲まれた空洞で、その内部に眼球を保護するように収めています。 ちょうど頭蓋骨が脳を守るように、眼窩は眼球とその周囲の組織を外部からの衝撃や圧力から保護する役割を担っています。眼窩は、例えるなら部屋のような構造をしています。天井に当たる部分が上壁、床に当たる部分が下壁、鼻側に面した部分が内側壁、そして顔の外側に面した部分が外側壁と呼ばれ、これらの壁が組み合わさって眼窩空間を形成しています。それぞれの壁は複数の骨によって構成されています。上壁は主に前頭骨と蝶形骨という骨から成り、その薄さから衝撃に弱く骨折しやすいという特徴があります。下壁は上顎骨、口蓋骨、頬骨という3つの骨からなり、上壁同様に薄いため骨折のリスクが高い部分です。内側壁は涙骨、篩骨、上顎骨の一部から成り、非常に薄い骨でできているため、強い衝撃によって骨折しやすく、眼窩周囲の組織に影響が及ぶ可能性があります。外側壁は頬骨と蝶形骨の一部からなり、他の壁と比べて厚く頑丈なため、外部からの衝撃に強いという特徴があります。また、眼窩は単なる閉鎖された空間ではなく、視神経や血管、神経などが通るための通路も備えています。特に重要なのが視神経管と呼ばれる開口部で、眼球と脳を繋ぐ視神経の通り道となっています。このように、眼窩は複雑な構造を持つことで、眼球を安全に保護し、その機能を正常に保つための重要な役割を果たしているのです。