観念運動失行

脳・神経

指示された動作ができない?観念運動失行について

- 観念運動失行とは観念運動失行は、運動機能そのものに問題がないにも関わらず、頭で理解している動作や身振りを実際に行うことが難しい状態を指します。 例えば、「手を振ってください」と指示されても、手をどのように動かして良いのか戸惑ってしまったり、ぎこちない動きになってしまったりします。これは、筋肉や関節に異常があるのではなく、脳の指令が運動機能に正しく伝わらないことが原因だと考えられています。もう少し具体的に説明すると、私たちは体を動かす時、まず脳で「手を振る」という動作のイメージを作り出します。そして、そのイメージを具体的な運動の指令に変換し、神経を通して筋肉に伝えています。観念運動失行の場合、このイメージを運動指令に変換する過程に問題が生じていると考えられています。そのため、簡単な動作であっても複雑な手順を踏むような動作や、日常生活でよく行う動作であっても、意識して行おうとすると上手くできないといった特徴が見られます。例えば、歯ブラシで歯を磨く動作や、箸を使って食事をする動作など、無意識に行う場合は問題なく行えても、意識して行おうとすると途端にぎこちなくなってしまうことがあります。観念運動失行は、脳卒中や脳腫瘍などの脳血管障害によって脳が損傷を受けることで起こることがあります。また、アルツハイマー病などの認知症の初期症状として現れることもあります。
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口腔顔面失行:話したり食べたりすることの難しさ

- 口腔顔面失行とは口腔顔面失行は、脳の一部の損傷が原因で発症する病気です。 この病気になると、話したり、食べたりといった、口や顔の動きをスムーズに行うことが難しくなります。私たちは普段、無意識に口や顔の筋肉を動かして、会話や食事をしています。しかし、口腔顔面失行になると、脳からの指令が口や顔の筋肉にうまく伝わらなくなるため、これらの動作に支障が出てしまうのです。 例えば、口を開け閉めする、舌を動かす、表情を作るといった動作が困難になります。口腔顔面失行は、「観念運動失行」と呼ばれる、体を思い通りに動かせなくなる症状の一つです。観念運動失行は、手足の動作に障害が現れる場合もありますが、口腔顔面失行は、口や顔の動きに特異的に症状が現れる点が特徴です。口腔顔面失行は、脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷などが原因で起こることがあります。また、神経変性疾患に伴って発症することもあります。治療には、言語聴覚士によるリハビリテーションなどが行われます。リハビリテーションでは、口や顔の筋肉の訓練や、発音練習などを行います。
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