親子関係

心の問題

子どもの心の発達:愛着の重要性

- 愛着とは人は誰しも、特定の人に対して特別な感情を抱き、その人と共にいたい、近くにいたいと感じる経験をすることがあります。この心の結びつきのことを、心理学では「愛着」と呼びます。特に、生まれたばかりの赤ちゃんが、自分を世話してくれる保護者に対して抱く特別な感情が愛着の始まりです。赤ちゃんは、まだ言葉を発することができません。しかし、泣いたり、笑ったり、抱っこをせがんだりすることで、保護者に自分の気持ちを伝えようとします。保護者は、そんな赤ちゃんのサインに気づき、優しく抱きしめたり、語りかけたりすることで、赤ちゃんの要求に応えようとします。このような相互のやり取りを通して、赤ちゃんは保護者との間に深い信頼関係を築いていくのです。そして、この保護者との特別な関係が、赤ちゃんの「愛着」となっていきます。愛着は、単なる感情的な結びつきではありません。愛着は、乳幼児期における心の成長にとって、非常に重要な役割を担っています。保護者との安定した愛着関係の中で育った子どもは、安心感や信頼感を抱き、情緒が安定していきます。その結果、周囲の環境にも積極的に関わり、様々なことを吸収し、健やかに成長していくことができるのです。反対に、幼少期に十分な愛着を形成できなかった場合は、情緒が不安定になりやすく、対人関係に問題が生じやすくなる可能性も指摘されています。愛着は、その後の人格形成や対人関係、社会性の発達に大きな影響を与えると言えるでしょう。
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子どもとの絆と愛着障害

- 愛着障害とは 愛着障害とは、幼い頃に親など、特定の大人との間で安定した愛着関係を築くことができなかったために、感情や他人との付き合い方に問題が生じる発達障害の一種です。 人は誰しも、赤ちゃんとしてこの世に生を受けた時から、保護を求める気持ちを持っています。これは生まれながらに備わった本能のようなもので、愛着の芽生えと言えます。そして、保護者から温かい反応が返ってくることで、赤ちゃんは安心感や信頼感を育んでいきます。この安心感や信頼感が、愛着の基礎となるのです。 しかし、様々な理由から、この愛着形成がうまくいかない場合があります。例えば、虐待や育児放棄など、保護者からの愛情が感じられない環境で育った場合や、施設などで養育者が頻繁に入れ替わり、特定の大人と安定した関係を築けなかった場合などが挙げられます。 こうした環境で育った子どもは、情緒が不安定になりやすく、対人関係を築くのが難しい傾向があります。大人になってからも、この影響は残り続け、生きづらさを感じてしまうケースも少なくありません。
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