血行動態

循環器

心機能の重要な指標:心係数とは

私たちの体にとって欠かせない臓器である心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っています。この心臓がどれくらい効率的に血液を送り出しているかを評価する指標の一つに心拍出量があります。心拍出量は、心臓が1分間に送り出す血液の量を示すものですが、体の大きさによって大きく変化します。体が大きければ心臓も大きくなり、心拍出量も多くなるのは当然のことです。そのため、心拍出量をそのまま見てしまうと、体が大きい人は心臓の機能が高い、体が小さい人は心臓の機能が低いと誤解してしまう可能性があります。 そこで、体格差による影響を補正し、より正確に心臓の機能を評価するために用いられるのが心係数です。心係数は、心拍出量を体表面積で割ることで計算されます。体表面積は、身長と体重から計算される体の表面の面積のことです。心係数を用いることで、体が大きくても小さくても、心臓が体の大きさに応じて十分な量の血液を送り出せているかを評価することができます。 心係数は、心臓の機能を評価する上で非常に重要な指標であり、心臓病の診断や治療効果の判定などに広く用いられています。例えば、心不全などの心臓病になると、心臓のポンプ機能が低下し、心係数が低下します。また、心臓手術などの治療効果を判定する際にも、心係数の変化が重要な指標となります。
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心機能の重要な指標:心係数

- 心臓の働きを数値で表す指標心係数 心臓は、体中に血液を循環させるために休むことなく動き続ける、いわば体内のエンジンとも呼べる重要な臓器です。この心臓が一回の拍動で送り出す血液の量を心拍出量といい、心臓のポンプとしての能力を示す指標の一つとなっています。しかし、心臓のポンプ機能は、体の大きさによって異なり、体が大きい人ほど多くの血液を必要とするため、心拍出量も大きくなるのが自然です。そこで、体の大きさを考慮した上で、より正確に心臓のポンプ機能を評価するために用いられるのが「心係数」です。 心係数は、心拍出量を体表面積で割ることで求められます。体表面積とは、読んで字の如く体の表面の面積のことで、身長と体重から計算されます。心係数は、通常、1分間に体が1平方メートルあたりにどれだけの血液を送り出せるかという形で表され、単位はリットル/分/平方メートル(L/min/㎡)を用います。 心係数は、心臓のポンプ機能を評価する上で非常に重要な指標であり、心不全などの心臓病の診断や治療効果の判定に用いられます。健康な人の心係数は、安静状態で2.5~4.0 L/min/㎡程度ですが、心機能が低下するとこの値は小さくなります。例えば、激しい運動後や、興奮状態などでは、心拍出量が増加するため、心係数も高くなることがあります。逆に、心筋梗塞や心不全など、心臓のポンプ機能が低下している場合は、心係数は低下します。 心係数は、心臓の状態を知る上での重要な指標の一つですが、あくまで目安であり、心係数が正常範囲内であっても、心臓病が隠れている可能性もあります。そのため、動悸や息切れなどの自覚症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師の診断を受けることが大切です。
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