血管外科

循環器

静かなる脅威、腹部大動脈瘤

- 腹部大動脈瘤とは腹部大動脈瘤は、私たちの体の中で最も太い血管である大動脈の一部が、腹部でこぶのように膨らんでしまう病気です。この大動脈は心臓から血液を送り出すという重要な役割を担っており、心臓から出た大動脈は胸部を通り、腹部へと続いていきます。腹部大動脈瘤は、血管の壁がまるで風船のように薄く伸びてしまうことで発生します。このこぶは、最初は自覚症状がほとんどなく、静かに進行していくことが多いため、発見が遅れてしまう場合も少なくありません。しかし、腹部大動脈瘤は、放置すると徐々に大きくなり、最終的には破裂する危険性があります。もしも腹部大動脈瘤が破裂してしまうと、命に関わるほどの大量出血を引き起こす可能性があります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要となります。腹部大動脈瘤は、高齢の男性に多くみられる病気ですが、女性や若年層でも発症する可能性はあります。特に喫煙、高血圧、高脂血症などの生活習慣病や、家族に大動脈瘤の既往がある方は注意が必要です。
外科

チーム医療で立ち向かう四肢外傷

- 四肢外傷とは人間の身体は、大きく頭と胴体、そして腕と脚からなる四肢に分けることができます。このうち、腕と脚をまとめて四肢と呼びますが、この部分に負った怪我のことを四肢外傷と呼びます。つまり、腕の骨折や足の捻挫などは、すべて四肢外傷に含まれるのです。ただし、一口に四肢外傷と言っても、その程度は軽いものから生命に関わる重いものまで様々です。例えば、日常生活で起こりやすい打撲や捻挫なども四肢外傷に含まれます。多くの人は、これらの怪我を経験したことがあるのではないでしょうか。このように、四肢外傷は、私たちにとって決して珍しいものではなく、むしろ身近なものと言えるでしょう。一方で、医療現場において「四肢外傷」という言葉が使われる場合、骨折した骨が皮膚を突き破る開放骨折や、血管や神経に損傷を伴うような、重症な状態であることを指すことが多いです。このような重度の四肢外傷は、日常生活で起こることは稀ですが、交通事故や高所からの転落など、大きな衝撃が身体に加わることで発生する可能性があります。このように、四肢外傷は軽度のものから重度のものまで、幅広い怪我を含みます。そして、その治療法も怪我の程度によって大きく異なります。軽度の打撲や捻挫であれば、安静や湿布などの処置で自然に治癒することがほとんどですが、重度の場合は、手術が必要となることもあります。いずれにしても、適切な治療を受けることが、後遺症を残さずに回復するために重要です。
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