静かなる脅威、腹部大動脈瘤
- 腹部大動脈瘤とは腹部大動脈瘤は、私たちの体の中で最も太い血管である大動脈の一部が、腹部でこぶのように膨らんでしまう病気です。この大動脈は心臓から血液を送り出すという重要な役割を担っており、心臓から出た大動脈は胸部を通り、腹部へと続いていきます。腹部大動脈瘤は、血管の壁がまるで風船のように薄く伸びてしまうことで発生します。このこぶは、最初は自覚症状がほとんどなく、静かに進行していくことが多いため、発見が遅れてしまう場合も少なくありません。しかし、腹部大動脈瘤は、放置すると徐々に大きくなり、最終的には破裂する危険性があります。もしも腹部大動脈瘤が破裂してしまうと、命に関わるほどの大量出血を引き起こす可能性があります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要となります。腹部大動脈瘤は、高齢の男性に多くみられる病気ですが、女性や若年層でも発症する可能性はあります。特に喫煙、高血圧、高脂血症などの生活習慣病や、家族に大動脈瘤の既往がある方は注意が必要です。