血管内皮細胞

皮膚科

カポジ肉腫:HIV感染と関連するがんで知られる病気

- カポジ肉腫とはカポジ肉腫は、皮膚や粘膜に赤い斑点や腫瘍ができる悪性腫瘍です。1872年、ハンガリーの皮膚科医であるモーリッツ・カポジによって初めて報告されました。この病気は、血管やリンパ管の内側を覆っている細胞から発生し、免疫力の低下した人に発症しやすいという特徴があります。カポジ肉腫は、発症する原因によって大きく四つの型に分類されます。* -古典型- 主に高齢の男性に発症し、足や脚に紫色の斑点や腫瘍が現れます。進行は緩やかで、生命に関わることは稀です。* -アフリカ型- アフリカの特定の地域で多く見られ、若年層にも発症します。皮膚だけでなく、リンパ節や内臓にも腫瘍ができることがあり、進行が早く重症化するケースもあります。* -免疫不全関連型- 臓器移植後やHIV感染者など、免疫力が低下している人に発症します。皮膚や粘膜、内臓など全身に腫瘍ができる可能性があり、進行も早い傾向にあります。* -その他の型- 免疫抑制剤の使用や、特定の遺伝子変異によって発症することがあります。カポジ肉腫の治療法は、腫瘍の大きさや部位、患者の全身状態、発症型によって異なります。手術、放射線療法、化学療法、免疫療法など、様々な治療法を組み合わせて行われます。早期発見、早期治療が重要となるため、皮膚や粘膜に異常を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
血液

免疫の鍵を握るフラクタルカイン

フラクタルカインは、細胞の表面にくっつく性質、つまり接着分子としての顔も持ち合わせています。免疫細胞を炎症が起きている場所に呼び寄せる役割を担っており、その接着力は非常に強力です。 例えるなら、血管内皮細胞という滑り台に、免疫細胞というボールがくっつき、転がり落ちるのを防ぐかのようです。血管内皮細胞は血管の内側を覆う細胞のことで、免疫細胞は体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体と戦う細胞のことです。フラクタルカインは、この二つの細胞をくっつける糊のような役割を果たします。 免疫細胞は通常、血液中を流れていますが、炎症が起きると、フラクタルカインの接着作用によって血管内皮細胞にしっかりと結合し、血管の外に出て炎症組織へと移動します。そして、炎症の原因となっている病原体や、傷ついた細胞などを排除する働きをします。このように、フラクタルカインは免疫反応において重要な役割を担っているのです。
PAGE TOP