健康のバロメーター!血清鉄と貧血の関係
- 血清鉄とは?血液中に存在する鉄分のことを、血清鉄と呼びます。鉄分は人体にとって欠かせないミネラルの一つであり、様々な役割を担っています。その中でも特に重要なのが、全身に酸素を運搬する役割を担う赤血球です。この赤血球の中に含まれるヘモグロビンというタンパク質を作るためには、鉄分が不可欠です。 つまり、血清鉄の値を調べることで、体内の鉄分の状態を把握することができ、貧血の診断に役立ちます。一般的に、血清鉄の値が低い場合は、体内の鉄分が不足している鉄欠乏状態を示唆しており、鉄欠乏性貧血の可能性があります。反対に、血清鉄の値が高い場合は、体内に鉄分が過剰に存在している可能性があり、鉄過剰症などの病気が疑われます。ただし、血清鉄の値だけで貧血の診断を確定できるわけではありません。なぜなら、血清鉄の値は、時間帯や体の状態によって変動することがあるからです。そのため、貧血の診断には、血清鉄の値だけでなく、ヘモグロビン濃度や赤血球数などの他の検査結果と合わせて総合的に判断する必要があります。