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健康のバロメーター:ラボデータを読み解く

- ラボデータとはラボデータとは、病院やクリニックで血液検査や尿検査などを行った際に得られる、検査結果の数値のことです。これは、私たちの健康状態を詳しく知るための重要な手がかりとなります。例えば、血液検査であれば、血液中の赤血球や白血球の数、血糖値、コレステロール値などを調べることができます。尿検査では、尿中の糖やタンパク質の量などを調べることで、腎臓や膀胱の病気を発見する手がかりになります。これらの検査結果は、医師にとって、患者さんの体の状態を客観的に判断するための重要な情報源となります。医師は、ラボデータと患者さんの自覚症状、診察結果などを総合的に判断し、病気の診断や治療方針の決定を行います。ラボデータは、数値化されているため、健康状態の変化を客観的に把握することができます。例えば、健康診断で毎年同じ検査を受けていれば、経年的な変化を捉えることができ、病気の早期発見・早期治療に繋がる可能性があります。また、治療の効果を判定したり、薬の量を調整したりする際にも、ラボデータは重要な指標となります。ラボデータは、いわば体の内部からのメッセージを数値化したものと言えるでしょう。そのため、検査結果の数値だけを見るのではなく、その意味や背景を理解することが大切です。医師は、患者さん一人ひとりの状況に合わせて、ラボデータの結果を分かりやすく説明しますので、検査結果について疑問があれば、遠慮なく質問するようにしましょう。
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CRP値でわかる体の炎症

- CRPとはCRPは、C反応性蛋白(しーはんのうせいたんぱく)を省略した呼び方で、血液の中に存在する蛋白質の一種です。このCRPは、普段は私達の体の中にごく少量しか存在していません。しかし、体内で炎症が起こったり、組織の損傷が起こると、肝臓で作られ、血液中に放出されて急激に増加します。 CRPは、炎症や組織の損傷に反応して増加するため、体の状態を知るための重要な指標となります。例えば、風邪などの感染症、関節リウマチなどの自己免疫疾患、心筋梗塞などの病気になると、CRPの値が上昇します。検査は血液検査で行われ、採血した血液中のCRP濃度を測定します。CRPの値が上昇している場合は、炎症や組織の損傷が suspected されている可能性があり、医師は他の検査結果と合わせて、診断を行います。CRPは、病気の診断だけでなく、治療の効果判定や再発の兆候を捉えるためにも用いられます。このように、CRPは、様々な病気と関連して変化する指標であり、健康状態を把握する上で非常に重要なものです。
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肝臓の健康を知る指標:ALTとは?

- ALTの概要ALTとは、アラニンアミノトランスフェラーゼという酵素の略称です。 この酵素は、主に肝臓の細胞内に存在し、体内でのアミノ酸代謝に重要な役割を担っています。具体的には、アラニンというアミノ酸をピルビン酸という物質に変換する反応を触媒します。この反応は、エネルギー生産や糖新生といった重要な代謝経路に関与しています。健康な状態であれば、血液中のALT濃度は低く保たれています。 これは、ALTが主に肝細胞内に存在し、血液中に漏れ出す量はごくわずかだからです。しかし、肝炎や脂肪肝、肝臓がんといった病気によって肝細胞が損傷を受けると、ALTが血液中に流れ出してしまいます。そのため、血液検査でALT値が上昇している場合は、肝臓に何らかの異常がある可能性を示唆していると考えられます。ただし、ALT値が上昇していても、必ずしも重い肝臓病であるとは限りません。一時的な疲労や飲酒、薬の服用などによってもALT値は上昇することがあります。ALT値の上昇の原因を特定し、適切な治療を行うためには、医師による診察と、他の検査結果と組み合わせた総合的な判断が必要となります。
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アルブミン: 血液中の働き者

私たちの体内を巡る血液は、主に細胞成分と血漿という液体成分で構成されています。赤血球、白血球、血小板といった細胞成分は、それぞれ酸素を運搬したり、外部からの細菌やウイルスから体を守ったり、出血を止めたりと重要な役割を担っています。そして、これらの細胞成分を包み込むように存在するのが血漿です。 アルブミンは、この血漿中に溶けているタンパク質の中で最も量が多いものです。体重60kgの人の場合、血液中に約240gものアルブミンが存在し、血漿全体の約60%を占めていると言われています。これは、アルブミンが私たちの体にとって、どれほど重要な役割を担っているかを物語っています。
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赤血球沈降速度:炎症を測る指標

- 赤血球沈降速度とは赤血球沈降速度(せっけっきゅうちんこうそくど)は、一般的に赤沈や血沈と略され、血液検査の項目の一つです。 この検査では、採血した血液を細いガラス管に入れ、垂直に立てて1時間放置します。そして、その間に赤血球が沈んでいく速さを測定します。 健康な状態では、赤血球はゆっくりと沈んでいきます。しかし、体内で炎症が起きている場合、赤血球は互いにくっつきやすくなり、塊となった状態で速く沈んでいきます。これは、炎症によって血液中のタンパク質のバランスが崩れ、赤血球の表面の電荷が変化することが原因です。赤沈は、炎症の程度を大 crude に把握する検査であり、その値が速いほど、体内で炎症が起きている可能性が高いことを示唆します。 ただし、赤沈だけで、どの部位にどのような炎症が起きているかを特定することはできません。具体的な病気の診断には、他の検査結果や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。赤沈は、関節リウマチや血管の炎症など、様々な病気の診断や経過観察に用いられます。 また、原因不明の発熱や炎症症状がある場合にも、有用な検査となります。
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健康の鍵!体のpHバランス

- pHとは?私たちの身の回りには、レモンや梅干しのように酸っぱいものと、石鹸のようにぬるぬるするアルカリ性のものが存在します。この酸性・アルカリ性の度合いを示す指標がpHです。pHは0から14までの数値で表され、ちょうど真ん中の7が中性となります。7より数値が小さいと酸性を示し、数値が小さくなるほど酸性が強くなります。逆に、7より数値が大きいとアルカリ性を示し、数値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。例えば、酸っぱいレモン汁はpH2ほどの強い酸性を示し、梅干しはpH3程度の酸性です。一方、石鹸はpH9~10、重曹はpH8程度の弱いアルカリ性を示します。私たちの体内にも、胃液や血液など様々な液体があり、それぞれ異なるpHを持っています。胃液は食べ物を消化するために強い酸性(pH1~2)を示しますが、血液はほぼ中性(pH7.4前後)に保たれています。これは、私たちの体が健康を維持するために、それぞれの器官や組織に適したpHを保つように精巧に調整されているからです。体のpHバランスが崩れると、様々な体調不良を引き起こす可能性があります。このように、pHは私たちの身の回りや体の中で重要な役割を担っています。
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知っておきたい溶血:その原因と影響

私たちの体内を流れる血液の中には、体中に酸素を届ける役割を担う赤い細胞、赤血球が存在します。健康な状態であれば、赤血球は約120日間、体内を循環しながら酸素を運び続けます。そして、その役割を終えると、主に肝臓で分解され、体外に排出されます。これは、例えるならば、工場で製造された製品が、一定期間使用された後に回収され、リサイクルされるようなものです。 しかし、溶血と呼ばれる現象が起こると、まだ十分に役割を果たせるはずの赤血球が、寿命を迎える前に壊れてしまいます。これは、工場でまだ使える製品が、出荷前に壊れてしまうようなもので、体内では大変な異常事態と言えます。溶血が起こると、体内の赤血球の数が減少し、酸素を十分に体に行き渡らせることができなくなります。その結果、貧血と呼ばれる状態に陥り、動悸や息切れ、顔面蒼白といった症状が現れることがあります。さらに、重症化すると、生命に関わる可能性もあるのです。
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健康のバロメーター!血清鉄と貧血の関係

- 血清鉄とは?血液中に存在する鉄分のことを、血清鉄と呼びます。鉄分は人体にとって欠かせないミネラルの一つであり、様々な役割を担っています。その中でも特に重要なのが、全身に酸素を運搬する役割を担う赤血球です。この赤血球の中に含まれるヘモグロビンというタンパク質を作るためには、鉄分が不可欠です。 つまり、血清鉄の値を調べることで、体内の鉄分の状態を把握することができ、貧血の診断に役立ちます。一般的に、血清鉄の値が低い場合は、体内の鉄分が不足している鉄欠乏状態を示唆しており、鉄欠乏性貧血の可能性があります。反対に、血清鉄の値が高い場合は、体内に鉄分が過剰に存在している可能性があり、鉄過剰症などの病気が疑われます。ただし、血清鉄の値だけで貧血の診断を確定できるわけではありません。なぜなら、血清鉄の値は、時間帯や体の状態によって変動することがあるからです。そのため、貧血の診断には、血清鉄の値だけでなく、ヘモグロビン濃度や赤血球数などの他の検査結果と合わせて総合的に判断する必要があります。
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検査に欠かせないスピッツ:種類と用途

- スピッツとは病院で血液検査や尿検査を受けるとき、採血や採尿の後に、看護師さんが薄いガラス管に血液や尿を入れているのを見たことはありませんか?あのガラス管こそが「スピッツ」です。スピッツは、検査のために採取した血液や尿を一時的に保管しておくための小さな容器です。検査を行うまでの間、血液や尿を清潔な状態で保ち、検査に適した状態に保つ役割があります。多くのスピッツは、片方の先端が細くなっている円錐形をしています。この独特な形が、ドイツ語で「尖ったもの」を意味する「スピッツ」の由来となっています。先端が細い形状をしているため、採取した血液や尿をスムーズに入れることができます。また、検査機器にセットしやすいという利点もあります。スピッツには、血液検査用と尿検査用があります。さらに、検査項目に応じて、中に添加されている試薬が異なる場合もあります。例えば、血液を固まらせないようにするための凝固防止剤が入っているものや、特定の成分を分離しやすくするための分離剤が入っているものなどがあります。このように、スピッツは、一見シンプルながらも、検査を正確に行うために欠かせない重要な役割を担っているのです。
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輸血医療の要!交差適合試験とは?

私たちは、病気や怪我などで血液が不足すると、輸血によって血液を補います。輸血は、不足した血液を補うことで、命を救うための大切な医療行為です。しかし、輸血を行う際には、血液型に注意しなければなりません。なぜなら、自分と異なる血液型の血液を輸血されると、血液の中で抗原抗体反応という免疫反応が起こり、体に深刻な影響を及ぼす可能性があるからです。 人間の血液は、大きくA型、B型、AB型、O型の4つの血液型に分類されます。これは、赤血球の表面にある抗原と、血漿中に含まれる抗体の種類によって決まります。A型の人はA抗原と抗B抗体、B型の人はB抗原と抗A抗体、AB型の人はA抗原とB抗原を持っていますが、抗体は持っていません。O型の人は、抗原を持たず、抗A抗体と抗B抗体の両方を持っています。 輸血の際には、この血液型を合わせる必要があります。例えば、A型の人にB型の血液を輸血すると、A型の人の中にある抗B抗体が、B型血液中のB抗原と反応し、赤血球を破壊してしまいます。これが抗原抗体反応で、発熱や吐き気、最悪の場合、ショック症状を引き起こし、死に至ることもあります。 安全な輸血を行うためには、血液型について正しく理解し、血液型に合った輸血を受けることが重要です。輸血は、多くの場合、緊急を要するため、日頃から自分の血液型を知っておくことが大切です。
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臨床現場の隠語?!ハーベーって何?

病院で働いていると、「ハーベー測ってきて」や「ハーベーの数値どうだった?」といった会話を耳にすることがあるかもしれません。この「ハーベー」は一体何を指すのでしょうか?日常会話では聞き慣れない言葉ですが、実は医療現場ではよく使われている言葉なのです。 「ハーベー」は、正式には「ヘモグロビンA1c」と呼ばれる検査値の略称です。 ヘモグロビンA1cは、過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を反映する指標であり、糖尿病の診断や治療効果の判定に非常に重要な役割を担っています。 健康な人の場合、ヘモグロビンA1cの値は一定の範囲内に収まりますが、糖尿病の人は血糖値が高くなるため、ヘモグロビンA1cの値も高くなります。そのため、医療現場では「ハーベー測ってきて」という指示が、患者さんの血糖コントロール状態を把握するために行われるのです。 患者さんとのコミュニケーションを円滑にするためには、専門用語を避けて分かりやすい言葉を使うことが重要です。しかし、医療現場では、簡潔に指示を出したり、情報を共有したりするために、専門用語や略語が頻繁に使われます。今回の「ハーベー」のように、一見分かりにくい言葉であっても、それが何を意味するのか、なぜ使われるのかを理解することで、医療現場でのコミュニケーションをよりスムーズに行うことができるでしょう。
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検査に欠かせないスピッツ

- スピッツとは病院や検査機関で行われる血液検査や尿検査。これらの検査には、採取した血液や尿を検査機器にかけるまで、衛生的に保管する必要があります。そのために用いられるのが「スピッツ」と呼ばれる試験管です。注射器を使って採取された血液や尿は、まずこのスピッツに移し替えられます。スピッツには、検査内容や目的に応じて様々な種類があります。例えば、血液検査では、血液を固まらせないようにするための凝固防止剤が入ったスピッツや、特定の成分を分離するための分離剤が入ったスピッツなどが使用されます。スピッツの材質は、主にガラスやプラスチックが用いられています。ガラス製のスピッツは、透明度が高く、内容物を確認しやすいという利点があります。一方、プラスチック製のスピッツは、軽量で割れにくいという特徴があり、近年では主流になりつつあります。スピッツは、検査対象となる血液や尿を清潔な状態で保ち、正確な検査結果を得るために必要不可欠な器具と言えるでしょう。
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臨床現場の用語:ハーベーって何?

病院で働く医師や看護師などは、日々の業務の中で膨大な量の情報を扱っています。診察記録や検査結果、投薬 instructions など、正確に情報を伝えることが非常に重要です。しかし、医療現場は常に時間との闘いです。限られた時間の中ですべてを丁寧に伝えることは難しく、情報を簡潔に伝えるために、医療従事者の間では専門用語や略語がよく使われています。 これらの略語は、医療従事者にとっては共通認識となっているため、円滑なコミュニケーションを図る上で大変役に立ちます。例えば、血液検査の結果を伝える際に「WBC 8000」と言えば、白血球数が8000/μLであることを意味し、すぐに患者さんの状態を把握することができます。しかし、医療従事者以外の人にとっては、これらの略語は暗号のようにしか聞こえず、不安に感じてしまうかもしれません。 もし、診療中に意味の分からない言葉が出てきたら、遠慮なく質問するようにしましょう。医療従事者は、患者さんが安心して治療を受けられるよう、分かりやすい言葉で説明するよう努める必要があります。
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pH:体の酸アルカリバランスの鍵

水溶液の性質を語る上で欠かせない指標である「pH(ピーエッチ)」。これは、ある水溶液が酸性寄りなのか、アルカリ性寄りなのかを示すものです。0から14までの数値で表され、ちょうど真ん中の7が中性を表します。7より数値が小さくなるほど酸性が強く、逆に大きくなるほどアルカリ性が強くなります。 身近なもので例えると、レモンや梅干しのような酸っぱいものはpHが低く、石鹸のようにぬるぬるしたものはpHが高いと言えます。私たちの身の回りには、様々なpHを持つ物質が存在しています。 人間の体にとっても、このpHのバランスは非常に重要です。私たちの体は、弱アルカリ性の状態が最も安定するとされています。体内のpHが酸性に傾くと、疲労や倦怠感を引き起こしやすくなったり、骨がもろくなったりすると言われています。逆に、アルカリ性に傾きすぎると、イライラしやすくなったり、筋肉が痙攣しやすくなるなどの症状が現れることがあります。 このように、pHは私たちの健康状態にも大きく関わっているのです。
検査

健康のバロメーター!CRP値を読み解こう

- CRPって何?CRPは、C反応性タンパク質(C-reactive protein)を省略した呼び方です。これは、私達の血液の中に常にわずかに存在しているタンパク質の一種です。普段は肝臓で作られており、血液中に一定量を保っています。CRPが特に注目されるのは、体の中で炎症や組織の損傷が起こった時です。例えば、風邪をひいたり、怪我をしたり、肺炎や膀胱炎などの病気を発症したりすると、体の中ではそれに対抗しようと炎症反応が起きます。すると、CRPは肝臓で盛んに作られ、血液中のCRP濃度が急上昇するのです。このCRPの量を調べることで、体の中でどれくらい炎症が起きているのかを知ることができます。CRPの値が高いほど、炎症の程度が強いと判断されます。そのため、CRPは医療現場において、炎症反応の程度を測る指標、すなわち炎症マーカーとして広く用いられています。CRP検査は、採血によって行われ、比較的短時間で結果が得られます。検査結果を参考に、医師は患者さんの病状を把握し、適切な治療法を決定します。ただし、CRPは様々な要因で変動するため、CRP値だけで病気を診断することはできません。医師は、CRP値だけでなく、他の検査結果や症状なども総合的に判断して診断を行います。
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潰瘍性大腸炎:原因不明の炎症性腸疾患

- 潰瘍性大腸炎とは潰瘍性大腸炎は、大腸の最も内側の層である粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍といった傷ができてしまう病気です。この炎症は、直腸から始まり、連続的に上行して大腸全体に広がっていくという特徴があります。原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫システムの異常が大きく関わっていると考えられています。本来、免疫システムは細菌やウイルスなどの外敵から体を守る働きをしていますが、潰瘍性大腸炎の患者さんの場合、何らかの原因で自分の体の細胞や組織を攻撃してしまうと考えられています。また、遺伝的な要因も指摘されています。家族に潰瘍性大腸炎の方がいる場合、発症するリスクが高くなるというデータがあります。さらに、食生活やストレスなどの環境要因も発症に関与している可能性が示唆されています。潰瘍性大腸炎は、10代後半から20代の若い世代に多く発症する傾向があります。そして、症状がほとんどない寛解期と、下痢や血便、腹痛などの症状が現れる再燃期を繰り返すという経過をたどることが多く、患者さんにとって大きな負担となっています。症状の程度は患者さんによって異なり、日常生活に支障をきたすほどの激しい症状が出る場合もあれば、ほとんど症状を感じない軽症の場合もあります。症状が重い場合は、適切な治療を行わないと、貧血や脱水症状、腸閉塞などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
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赤沈 – 体内の炎症を調べる検査

- 赤沈とは赤沈とは、赤血球沈降速度の略称であり、血液検査の際に測定される項目の一つです。この検査では、採取した血液を細いガラス管に入れ、一時間静置します。すると、赤血球は自身の重さによって徐々に管の下へと沈んでいきますが、この沈む速さを測定するのが赤沈です。 赤沈の測定結果は、mm/hr(ミリメートル毎時)という単位で表されます。これは、一時間あたりに赤血球が何ミリメートル沈降したかを表しています。赤沈の値が大きい場合は、体内で炎症反応が起きている可能性を示唆しています。 なぜなら、炎症が起こると血液中のタンパク質が増加し、赤血球同士がくっつきやすくなるからです。赤血球がくっつき合って塊になると、重くなって沈降する速度が速くなるため、赤沈の値が大きくなります。ただし、赤沈はあくまでも炎症の有無を調べるための目安となる検査であり、これだけで具体的な病気を診断することはできません。赤沈の値が高い場合は、医師の診察を受け、他の検査結果と合わせて総合的に判断する必要があります。
血液

体に蓄積されるエネルギー源:中性脂肪

- 中性脂肪とは私たちが日々活動するためのエネルギー源となるのが、中性脂肪です。食事から摂取したエネルギーは、体内でブドウ糖に変換され、すぐに使えるエネルギーとして利用されます。しかし、摂取したエネルギーが消費量を上回ると、体は余ったブドウ糖を中性脂肪に変換し、脂肪細胞に蓄積します。脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪は、いわばエネルギーの貯蔵庫のようなものです。運動したり、食事量が少なくなったりしてエネルギーが不足すると、体は蓄えていた中性脂肪を分解し、再びエネルギーとして利用します。このように、中性脂肪は体にとって重要な役割を担っていますが、過剰に蓄積されると肥満や生活習慣病のリスクを高めることになります。バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、中性脂肪の蓄積を抑えることが健康維持には大切です。
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ループスアンチコアグラントを理解する

- ループスアンチコアグラントとは ループスアンチコアグラント(LA)は、血液が固まるのを防ぐ働きを持つ「アンチコアグラント(抗凝固物質)」という言葉を含むため、その名前だけ聞くと、血液を固まりにくくする物質のように思えるかもしれません。しかし実際には、LAは血液を固まりやすくする可能性のある自己抗体の一種です。 私たちの体内では、血管が傷ついて出血すると、それを止めるために血液を固める仕組みが働きます。この血液凝固には、様々な成分が関わっていますが、その中でも重要な役割を担うのが「リン脂質」という成分と「プロトロンビン」という血液凝固因子です。 LAは、このリン脂質とプロトロンビンが結合した状態に対して作られる抗体です。LAは、リン脂質とプロトロンビンの結合を阻害するのではなく、むしろ促進する働きがあります。その結果、血液凝固反応が過剰に促進され、血栓という血液の塊ができやすくなってしまうのです。 LAは、全身性エリテマトーデス(SLE)という自己免疫疾患の患者さんの血液中で高頻度に認められます。SLEは、自分自身の細胞や組織に対して抗体が作られ、様々な臓器に炎症を引き起こす病気です。LAは、SLEの活動性を評価する上で重要な指標の一つとなっています。
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血糖値を理解しよう:健康の鍵となる数値

- 血糖値とは私たちの体は、活動するためのエネルギー源としてブドウ糖を必要としています。 このブドウ糖は、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を含む食品を摂取することで体内に取り込まれます。摂取された炭水化物は消化器官で分解され、ブドウ糖へと変化します。そして、ブドウ糖は血液によって全身の細胞へと運ばれていきます。この血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す指標が、血糖値と呼ばれるものです。血糖値は、健康状態を判断する上で重要な指標の一つです。 ブドウ糖は、体を動かすためのエネルギー源となるため、血糖値が適切な範囲に保たれていることが重要です。血糖値が低すぎると、倦怠感や意識障害などを引き起こす可能性があります。逆に、血糖値が高すぎると、のどが渇きやすくなったり、尿の量が増えたりするなど、様々な症状が現れます。また、長期間にわたって高血糖状態が続くと、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まる可能性も指摘されています。健康な状態を維持するためには、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血糖値を適切な範囲に保つことが重要です。
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HBs抗原:B型肝炎ウイルスの存在を示す指標

- B型肝炎ウイルス感染の指標となるHBs抗原 B型肝炎ウイルスは、肝臓に炎症を起こすウイルスの一種です。このウイルスに感染すると、血液中にHBs抗原と呼ばれるタンパク質の一部が検出されるようになります。 HBs抗原は、B型肝炎ウイルスそのものの表面に存在する物質です。ウイルスが肝臓の細胞に侵入し、増殖する際に、このHBs抗原も同時に作られます。そして、血液中に流れ出したHBs抗原が検出されることで、B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを判断することができるのです。 血液検査でHBs抗原が陽性、つまり検出された場合、過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがある、あるいは現在感染している最中である可能性を示しています。ただし、HBs抗原が陽性でも、必ずしも症状が出ているとは限りません。自覚症状がないままHBs抗原が陽性となるケースも少なくありません。 このように、HBs抗原はB型肝炎ウイルスの感染を判断する上で非常に重要な指標となります。HBs抗原が陽性と診断された場合は、医師の指示に従い、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
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健康の鍵、血糖値を理解する

- 血糖値とは血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖は、私たちが体を動かすための大切なエネルギー源です。食事から摂取したご飯やパン、麺類などの炭水化物は、体内でブドウ糖に分解されます。その後、ブドウ糖は腸から吸収され、血液中に溶け込みます。そして、血液の流れに乗って全身の細胞に届けられ、エネルギー源として利用されます。 この血液中のブドウ糖の濃度を測ることで、体内のエネルギー状態を把握することができます。血糖値は、健康状態や食事、運動などの影響を受けて常に変化しています。食後などのように血液中のブドウ糖濃度が高くなった状態を「高血糖」、空腹時などのように血液中のブドウ糖濃度が低くなった状態を「低血糖」といいます。 血糖値は、健康を維持するために非常に重要です。血糖値が慢性的に高くなる状態が続くと、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。また、急激な血糖値の上昇や低下は、様々な体の不調につながる可能性があります。健康的な生活を送るためには、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血糖値を適切な範囲に保つことが大切です。
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