血流障害

循環器

静かなる脅威:アテロームと動脈硬化

私たちの体を網の目のように巡っている血管は、生きていく上で欠かせない大切な器官です。特に、動脈は心臓から送り出された血液を体の隅々まで届けるという重要な役割を担っています。しかし、歳を重ねたり、生活習慣によって、動脈の内側には“アテローム”と呼ばれる脂肪の塊が溜まっていくことがあります。 アテロームは、血管の老化現象の一つと考えられています。動脈は、生まれたばかりの頃は弾力があり滑らかですが、加齢とともに弾力を失い硬くなっていくため、血管の内側に傷がつきやすくなります。すると、その傷を修復しようと、コレステロールや脂肪などが集まってきて、血管の内側に蓄積していきます。これがアテロームの始まりです。 アテロームは、最初は小さくても、徐々に大きくなり、血管の内側を狭くしていきます。 その結果、血液の流れが悪くなり、様々な体の不調につながる可能性があります。例えば、心臓に栄養を送る血管が狭くなると、胸の痛みや圧迫感を感じる狭心症、さらに悪化すると心筋梗塞を引き起こす危険性があります。また、脳の血管が狭くなると、脳梗塞のリスクが高まります。 アテロームの形成を防ぐためには、血管を老化させない生活習慣を心がけることが大切です。バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など、健康的なライフスタイルを維持することで、血管の老化を遅らせ、アテロームの予防に繋がると考えられています。
循環器

指先の異常な冷え、レイノー現象とは?

レイノー現象は、主に指先や足先などの体の末端部分で起こる血行障害です。 寒い場所に行ったり、強いストレスを感じたりすると、毛細血管が過剰に収縮し、血流が悪くなることが原因です。 その結果、指先や足先が異常に冷たくなり、白っぽく変色するのが特徴です。 これは、一時的に血液が供給されなくなるために起こります。 その後、症状が治まってくると、再び血液が流れ始めますが、今度は逆に指先が赤紫色に変色し、ズキズキとした痛みや痺れを伴うことがあります。 これは、血管が拡張し、再び血液が流れ込む際に起こる反応です。 このような症状は、数分から数時間続くことがあり、症状の程度には個人差があります。 レイノー現象は、比較的軽症な場合が多く、自然に治まることも少なくありません。 しかし、症状が重い場合には、日常生活に支障をきたすこともあります。 例えば、字が書きにくくなったり、ボタンが掛けづらくなったり、細かい作業がしにくくなることがあります。 また、重症化すると、潰瘍ができたり、皮膚が壊死したりすることもありますので、注意が必要です。
消化器

虚血性大腸炎:原因、症状、治療法

- 虚血性大腸炎とは虚血性大腸炎は、読んで字のごとく、大腸に血液が十分に行き渡らなくなることで起こる炎症性疾患です。 私たちの体は、心臓から送り出された血液によって、酸素や栄養を全身に届けています。 大腸も例外ではなく、常に新鮮な血液が供給されることで、正常な働きを保っています。しかし、何らかの原因で大腸への血流が悪くなると、大腸の粘膜が酸素不足に陥り、炎症を起こしてしまいます。これが、虚血性大腸炎と呼ばれる病気です。 主な症状としては、腹痛や下痢が挙げられます。 腹痛は、キリキリとした痛みや、締め付けられるような痛みなど、患者さんによって様々です。また、下痢には、血液が混じることもあり、これは、炎症を起こした大腸の粘膜から出血しているためです。 多くの場合、虚血性大腸炎は一時的なものであり、適切な治療を行えば、後遺症なく治癒します。 治療としては、絶食や点滴によって、腸に負担をかけないように安静を保ちながら、炎症を抑える薬を投与します。 ただし、重症化すると、大腸に穴が開いてしまうこともあり、手術が必要になるケースもあります。
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