動脈ライン(Aライン)とは?
- 動脈ライン(Aライン)とは手術中や集中治療室にいる患者さんの状態を把握するために、様々な情報を常に監視する必要があります。その中でも、血圧は特に重要な指標となります。血圧は心臓が血液を送り出す力によって変化し、体の状態を大きく反映するからです。しかし、従来の方法では、一定時間ごとに血圧を測る必要があり、変化の兆候を見逃してしまう可能性もありました。そこで、より精密に血圧を監視し、必要な時にすぐに対応できるように開発されたのが動脈ライン、通称Aラインです。これは、細い管であるカテーテルを動脈に挿入し、血液の通り道を作ることで、連続的に血圧を測定することを可能にします。カテーテルを挿入する場所は、通常、手首の親指側にある橈骨動脈と呼ばれる血管です。橈骨動脈は皮膚の表面に近い場所にあるため、カテーテルを挿入しやすく、また、患者さんへの負担も比較的少ないという利点があります。その他、場合によっては、腕の肘の内側の上腕動脈や足の付け根の大腿動脈などが選択されることもあります。動脈ラインは、Aラインと呼ばれることがありますが、これは、動脈を意味する英語「arterial」の頭文字「A」から来ています。このように、動脈ラインは、患者さんの状態を把握するための重要な役割を果たしており、医療現場において欠かせない技術となっています。