薬剤担体

ゲル:身近な物質の科学

- ゲルの正体ゲルは、一見すると固体のように見えますが、実際には液体が主な成分です。では、なぜ液体が固体のような性質を持つのでしょうか?それを理解するには、「コロイド溶液」について知る必要があります。コロイド溶液とは、ある物質が非常に細かい粒子となって、別の物質の中に均一に分散している状態のことを指します。例えば、牛乳やマヨネーズもコロイド溶液の一種です。牛乳は、水の中に微小な脂肪やタンパク質が分散していますし、マヨネーズは、酢の中に微小な油滴が分散しています。ゲルもコロイド溶液の一種ですが、他のコロイド溶液とは異なる特徴を持っています。それは、ゲルの中では、微粒子が網目状の構造を作っているということです。この網目構造が、液体を閉じ込める役割を果たしており、その結果、ぷるぷるとした独特の固体状になるのです。身近な例では、ゼリーや豆腐がゲルに該当します。ゼリーは、ゼラチンというタンパク質が網目構造を作り、果汁を閉じ込めています。豆腐は大豆タンパク質が網目構造を作り、水分を閉じ込めています。このように、ゲルは、食品以外にも、化粧品や医薬品など、様々な分野で利用されています。
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