広がる理解:自閉スペクトラム症の世界
- 自閉スペクトラム症とは自閉スペクトラム症(ASD)は、脳の機能に違いがみられることで、周囲とのコミュニケーションや人間関係を築くこと、行動や興味の持ち方に特徴が現れる発達障害です。
以前は、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害といった診断名が用いられていましたが、現在ではこれらの総称として「自閉スペクトラム症」と診断されます。
自閉スペクトラム症において重要な点は、「スペクトラム」という言葉が示す意味です。これは、症状や特徴が人によって大きく異なり、その程度も様々であることを意味します。
例えば、ある人は言葉の発達が遅れる一方で、驚異的な記憶力や計算能力を示すことがあります。また、ある人は特定の分野に強いこだわりを持つ一方で、変化に柔軟に対応することが難しいと感じることもあります。
大切なのは、特定の症状の有無だけで判断するのではなく、その人の特性全体を理解し、その人に合ったサポートを提供することです。
自閉スペクトラム症は、生まれつき持っている脳の機能の違いによって現れます。遺伝的な要因が大きいと考えられていますが、まだ解明されていない部分も多く残されています。
早期に発見し、適切な療育や支援を行うことで、社会生活を送る上での困難さを軽減し、その人の持てる力を最大限に引き出すことが期待できます。