自然免疫

血液

体を守る勇敢な兵士: ナチュラルキラー細胞

私たちは、目に見えない脅威に常に囲まれながら日々を過ごしています。空気中にはウイルスや細菌が漂い、体内では、正常な細胞が突然変異を起こし、体にとって害をなす存在へと変貌を遂げることがあります。このような、私たちの健康を脅かす存在から身を守るため、体内には複雑かつ精巧な防御システムが備わっています。それが免疫システムです。 免疫システムは、体内に侵入した異物や、体内で発生した異常な細胞をいち早く認識し、攻撃、排除することで、私たちの体を守ってくれています。この免疫システムにおいて、最前線に立ち、勇敢に戦う兵士と例えられる細胞が存在します。それが、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)です。NK細胞は、生まれながらに備わっている免疫システムである自然免疫の中心的役割を担い、常に体内をパトロールし、異物や異常細胞を攻撃します。驚くべきことに、NK細胞は、標的となる細胞を事前に認識しておく必要がありません。まるで、訓練された兵士のように、独自の能力で敵を見分け、即座に攻撃を仕掛けることができるのです。 NK細胞の攻撃方法は、まさに「細胞爆弾」と呼ぶにふさわしいものです。彼らは、パーフォリンとグランザイムという、強力なタンパク質を分泌します。パーフォリンは、標的となる細胞の膜に穴を開け、グランザイムはその穴から細胞内へと侵入し、細胞を内部から破壊します。このように、NK細胞は、体内を常に監視し、見つけた敵を即座に排除することで、私たちの健康を守ってくれているのです。
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