お腹の防御反応: 筋性防御とは?
お腹の診察では、医師は患者さんの腹部に優しく手を当て、丁寧に触診することで、内臓の状態や痛みの有無などを調べます。健康な状態であれば、お腹は柔らかく、軽く押すと少しへこみます。しかし、炎症などによって腹腔内に異常が生じている場合、お腹はまるで板のように硬く緊張し、触れると強い抵抗を感じることがあります。この状態を「筋性防御」と呼びます。
筋性防御は、お腹の中の臓器やその周辺組織に何らかの問題が生じていることを示す重要なサインです。例えば、虫垂炎や胆嚢炎、腹膜炎などの病気でよく見られます。これらの病気では、炎症によって腹膜が刺激され、その結果として周囲の筋肉が反射的に収縮することでお腹が硬くなります。
筋性防御は、痛みや発熱などの症状と合わせて現れることが多く、緊急を要する病気の可能性もあるため、決して軽視できません。お腹に強い痛みを感じたり、触ると硬くなっていることに気付いたりした場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。