脳脊髄液

脳・神経

脳を守る流れを作る:脈絡叢の役割

私たちの脳は、硬い骨でできた頭蓋骨の中にあり、衝撃などから守られています。その脳の内部には、脳室と呼ばれるいくつかの空洞が存在します。脳室には、左右一対の側脳室と、その間をつなぐ第三脳室、さらに下に位置する第四脳室の4つがあり、それぞれが細い管でつながっています。 これらの脳室は、脳と脊髄の中を循環する重要な液体である脳脊髄液で満たされています。 脳脊髄液は、脳や脊髄への衝撃を和らげるクッションの役割や、脳に必要な栄養を運んだり、老廃物を排出したりする役割を担っています。 この重要な脳脊髄液を作り出しているのが、脈絡叢と呼ばれる組織です。脈絡叢は、脳室の壁の一部に存在し、毛細血管が密集した構造をしています。脈絡叢は、血液中から必要な成分を取り込み、脳脊髄液を産生し、脳室へと分泌する重要な役割を担っています。 このように、脳室は脳脊髄液で満たされた空間であり、脳脊髄液の産生を行う脈絡叢とともに、脳の正常な機能維持に非常に重要な役割を果たしているのです。
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脊髄空洞症:その原因と症状について

- 脊髄空洞症とは脊髄空洞症は、脳と脊髄を満たし、保護する液体である脳脊髄液の流れが妨げられることで発症する病気です。 通常、脳脊髄液は脳から脊髄へとスムーズに流れていますが、何らかの原因で流れが滞ると、脊髄の中心部に空洞が形成されてしまいます。 この空洞は徐々に大きくなり、周囲の神経を圧迫することで様々な神経症状を引き起こします。脊髄空洞症は比較的稀な病気で、はっきりとした原因は解明されていません。 しかし、先天的な脊髄の形成異常や、髄膜炎などの感染症、腫瘍、外傷などが関係していると考えられています。初期の段階では、自覚症状が現れないことも多く、健康診断などで偶然発見されることもあります。 症状が現れる場合、その種類や程度は患者さんによって大きく異なります。 代表的な症状としては、手足のしびれや感覚の低下、筋力低下、歩行障害、排尿・排便障害などが挙げられます。 これらの症状は、空洞の位置や大きさ、神経への圧迫の程度によって異なります。脊髄空洞症は、自然に治癒することはほとんどありません。 症状が進行すると日常生活に支障をきたす可能性もあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。
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