脳科学

脳・神経

学習とは何か?行動変容のメカニズム

- 学習の定義学習とは、私たち人間を含めた動物が、経験を通して行動を変化させていく過程のことを言います。毎日の生活の中で、私たちは実に様々な経験をしています。そして、その一つ一つの経験を通して、新しい知識や技術を身につけていきます。例えば、最初は誰もが転びながら練習を重ねて、自転車に乗れるようになります。新しい言葉を一つ一つ覚えていくことで、外国語を話せるようになります。毎日会う人の顔と名前を一致させて覚えられるようになるのも、学習によるものです。このように、自転車の乗り方や外国語、人の顔と名前など、様々なことを学習によって身につけることで、私たちは周りの環境にうまく馴染んでいくことができるようになります。学習を通して得られた能力は、より良く生きていくための大きな力となります。私たちは学習を通して、困難な状況を乗り越えたり、目標を達成したりする術を身につけていくのです。学習は、生涯にわたって続く、私たちにとって非常に重要なプロセスと言えるでしょう。
脳・神経

感情:心の風景

私たちは毎日、様々な出来事に遭遇し、喜怒哀楽といった様々な心の動きを感じながら生活しています。この心の動きこそが感情と呼ばれるものであり、喜びや楽しみ、怒りや悲しみといった、いわば心の風景のようなものです。 この心の風景は、常に同じ場所にとどまっているわけではなく、状況や周囲の人間関係、あるいは自分自身の体調などによって、まるで景色が移り変わるように変化していきます。そして、この変化は私たちの思考や行動に大きな影響を与えています。例えば、大好きな人からプレゼントをもらって嬉しいと感じた時には、自然と笑顔がこぼれ、優しい言葉をかけてしまうでしょう。反対に、理不尽な扱いを受けたり、大切なものを壊されたりして怒りを感じた時には、相手に厳しい言葉を投げかけたり、場合によっては手が出てしまうこともあるかもしれません。 このように、感情は私たちの行動を強く突き動かす原動力のひとつであり、周囲の人間関係や自分自身の行動、ひいては人生そのものに大きな影響を与える可能性を秘めているのです。
脳・神経

意欲と快楽の源、ドーパミン

- 神経伝達物質、ドーパミン私たちの脳内には、無数の神経細胞が存在し、互いに複雑なネットワークを築いています。この神経細胞間で情報のやり取りを仲介するのが、神経伝達物質と呼ばれる化学物質です。数ある神経伝達物質の中で、特に重要な役割を担っているのがドーパミンです。ドーパミンは、運動の制御に深く関わっています。ドーパミンが不足すると、体の動きが緩慢になったり、震えが生じたりします。パーキンソン病はその典型的な例で、ドーパミンを産生する神経細胞が失われることで、運動障害が現れると考えられています。また、ドーパミンは、学習や記憶にも大きく貢献しています。新しいことを学習したり、経験を記憶したりする際には、ドーパミンが放出され、神経細胞間のつながりを強化する役割を果たすと考えられています。さらに、ドーパミンは、快感や意欲、報酬を感じさせる脳内システムにも関与しています。美味しいものを食べたり、目標を達成したりしたときに感じる喜びや満足感は、ドーパミンがもたらすものです。このように、ドーパミンは、運動、学習、記憶、快感、意欲など、私たちの行動や心の動きに深く関わる重要な神経伝達物質と言えるでしょう。
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