脳神経

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球麻痺:言葉と飲み込みに影響する病気

- 球麻痺とは?私たちの脳には、生命維持に欠かせない大切な役割を担う「延髄」と呼ばれる部分が存在します。この延髄は、呼吸や心臓の動きなど、私たちが意識することなく行われている体の機能をコントロールしています。そして、この延髄には、「脳神経核」と呼ばれる神経細胞の集まりがあり、ここが舌や喉の筋肉を動かす司令塔の役割を担っています。球麻痺は、この延髄にある脳神経核が障害されることで発症する病気です。延髄はちょうど球のような形をしているため、球麻痺という名前が付けられました。この病気になると、脳からの指令が舌や喉の筋肉にうまく伝わらなくなり、様々な症状が現れます。具体的には、食べ物を飲み込みにくくなる、言葉が話しにくくなる、物が二重に見える、顔の筋肉が動きにくくなるなどの症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。球麻痺の原因は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、腫瘍、炎症など様々です。また、ギラン・バレー症候群などの神経疾患が原因となることもあります。球麻痺の治療法は、その原因や症状の程度によって異なりますが、リハビリテーションや薬物療法などが行われます。
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意識障害:その種類と症状について

- 意識障害とは意識障害とは、周囲の状況や自分自身の状態を正しく認識することが難しくなった状態を指します。私たちが普段、あたりまえに周りの風景を見たり、人の話を聞いて理解したり、考えたりできるのは、脳が正常に機能しているおかげです。そして、この脳の働きによって保たれている、周囲や自己を認識する能力を「意識」と呼びます。しかし、病気や怪我など、様々な原因によって脳がダメージを受けると、この「意識」を正常に保つことが難しくなり、様々な異常が現れます。これが意識障害です。意識障害の症状は、その程度によって大きく異なります。軽度の意識障害では、ぼーっとしている、何となく反応が鈍いなど、周囲の人もあまり気づかないことがあります。しかし、重度の意識障害になると、呼びかけに全く反応しなくなったり、自分の名前すら分からなくなったり、場合によっては、自力で呼吸をすることも、心臓を動かすことも難しくなり、生命の危機に瀕することもあります。意識障害は、決して他人事ではありません。脳卒中や頭部外傷、低血糖など、比較的誰にでも起こりうる病気や怪我によって引き起こされる可能性があります。普段と様子が違うと感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
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身近な動作の異変:観念失行

- 観念失行とは観念失行は、脳の一部が損傷を受けることで起こる症状で、日常生活で何気なく行っている動作がスムーズにできなくなってしまう状態を指します。私たちは普段、朝起きてから夜寝るまで、歯磨きや着替え、食事など、多くの動作を自然と行っています。これらの動作は、いちいち考えなくても、まるで体が覚えているかのようにスムーズに行うことができます。しかし、観念失行になると、これらの動作をどのように行うのか、頭では理解していても、実際に体で表現することが難しくなってしまうのです。例えば、歯ブラシを渡されても、それが歯を磨くための道具だと分かっていても、どのように手を動かして歯に当てればいいのか、戸惑ってしまい、うまく磨くことができません。あるいは、シャツを着ようとして、袖を通す、ボタンを掛けるといった一連の動作が分からなくなり、服を着ること自体に苦労することもあります。観念失行は、動作の意味や手順が分からなくなる失語や、体の動き自体が困難になる麻痺とは異なり、あくまでも動作の実行がうまくいかなくなる点が特徴です。観念失行が起こる原因は、脳卒中や頭部外傷などによって、脳の運動を計画したり、手順を記憶したりする部位が損傷を受けることが考えられます。
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眼球運動と滑車神経:その役割と障害について

私たちの脳からは、体中に指令を送るために12対の脳神経が伸びています。その中でも滑車神経は、眼球の動きを司る重要な神経です。12対の中で最も細い神経ですが、その役割は決して小さくありません。 滑車神経は、脳幹と呼ばれる脳の下部から出て、複雑な経路をたどりながら眼窩へと向います。そして、眼球の上部に位置する上斜筋という筋肉に接続し、その筋肉を収縮させることで眼球を内側下方に動かす働きをしています。 私たちが物をスムーズに見るためには、眼球を上下左右、斜めと、あらゆる方向に動かす必要があります。滑車神経は、他の脳神経と連携しながら、この複雑な眼球運動を可能にするために重要な役割を担っているのです。もし、事故や病気などで滑車神経が損傷されると、眼球運動に障害が生じ、物が二重に見えたり、視線を特定の方向に向けることが困難になることがあります。 このように、滑車神経は、私たちの視覚体験を支える小さな巨人と言えるでしょう。
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