沈黙の脅威、アテローム:その正体と危険性
「動脈硬化」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは、文字通り動脈の壁が硬く、もろくなってしまう病気の総称です。そして、この動脈硬化の進行に深く関わっているのが、「アテローム」と呼ばれる存在です。
アテロームとは、一体どのようなものでしょうか?
私たちの血管は、全身に栄養や酸素を運ぶために重要な役割を担っています。動脈は、心臓から送り出された血液を全身に送り出す役割を担う血管ですが、この動脈の血管壁の内側に、コレステロールや脂肪、細胞などが溜まってしまうことがあります。これがアテロームです。
アテロームは、まるで血管内に「こぶ」ができてしまうようなもので、血管を狭くしてしまいます。すると、血液の流れが悪くなり、心臓に負担がかかったり、様々な臓器に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなったりするのです。
さらに悪いことに、アテロームはもろく壊れやすいという特徴も持っています。アテロームが破裂すると、血液が固まって血栓と呼ばれる塊を作り、血管を詰まらせてしまうことがあります。
このように、アテロームは動脈硬化の進行を促し、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす危険因子となるのです。