胸郭動揺

呼吸器

複数の肋骨骨折で起こる胸郭動揺

私たちの胸部を守る骨格、胸郭。これは複数の肋骨と胸骨が組み合わさってできています。強い衝撃によって、これらの骨が複数箇所で折れてしまう重傷があります。これが「胸郭動揺」と呼ばれる状態です。別名で「フレイルチェスト」や「胸壁動揺」とも呼ばれます。 交通事故や高所からの転落などが原因で、強い衝撃を受けた時に発生しやすいため、重篤な胸部外傷の一つとされています。 胸郭動揺になると、呼吸のたびに骨折した肋骨や胸骨が不安定に動き、激しい痛みを伴います。さらに、肺や心臓などの重要な臓器を傷つける危険性も高まります。 呼吸困難や、皮膚の下で空気が漏れる皮下気腫、出血などの症状が現れることもあります。胸郭動揺は、見た目にも胸郭の動きに異常が見られることが多く、医療従事者は、患者の呼吸状態や胸郭の動き、レントゲン検査などを通じて診断を行います。 胸郭動揺は命に関わる危険な状態であるため、早期の診断と適切な治療が不可欠です。治療法としては、痛みを和らげ呼吸をサポートするために、酸素吸入や人工呼吸器の装着、肋骨を固定する手術などが行われます。
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