医療現場における「トラカール」とは?
- トラカールとは?医療現場において、体内に安全かつ容易に管を挿入するために欠かせない医療器具、それがトラカールです。英語では「Trocar」と表記され、套管針という別名も持ちます。トラカールは、主に二つの部分から構成されています。一つは、先端が鋭く尖った針です。この針を用いることで、皮膚や組織を容易に穿刺することができます。もう一つは、その針を覆うように設計された筒状の器具です。この筒状の部分は、カニューレと呼ばれ、針を体内に刺した後、針だけを抜き取り、カニューレを体内に残すことで、安全に管を挿入するための経路を確保します。トラカールは、主に胸腔や腹腔といった体腔内にチューブやカテーテルを留置する際に使用されます。例えば、肺に水が溜まってしまった場合に、その水を排出するためのチューブを挿入する際や、お腹の中に溜まった血液や膿などを排出するためのカテーテルを挿入する際に、トラカールが活躍します。このように、トラカールは、医療現場において欠かせない医療器具であり、患者さんの負担を軽減し、安全な医療を提供するために大きく貢献しています。