胸腔ドレーン

呼吸器

気胸治療の必需品、トロッカーとは?

- トロッカーの概要トロッカーとは、肺を包む胸膜腔と呼ばれる空間に挿入する管のことです。この管を通して、本来はわずかな空気しか存在しない胸膜腔に溜まった空気や液体、膿などを体外に排出することができます。トロッカーは、主に気胸、胸水、膿胸といった病気の治療において重要な役割を担います。* -気胸-は、肺に穴が開くことで空気が胸膜腔に漏れ出てしまう病気です。* -胸水-は、胸膜腔に水が溜まってしまう病気で、心臓病や腎臓病などが原因で起こることがあります。* -膿胸-は、胸膜腔に細菌感染によって膿が溜まってしまう病気です。これらの病気では、胸膜腔に溜まった空気や液体、膿によって肺が圧迫され、呼吸困難を引き起こす可能性があります。トロッカーを挿入してこれらを排出することで、肺にかかる圧迫を軽減し、呼吸を楽にする効果が期待できます。トロッカーには、細いものから太いものまで様々な種類があります。これは、治療内容や患者さんの状態に合わせて適切な太さのものを選択する必要があるためです。例えば、胸水の排出には比較的細いトロッカーを用いることが多いですが、膿胸のように粘性の高い膿を排出する場合は、太いトロッカーを使用することがあります。トロッカーの挿入は、患者さんの負担を軽減するために、通常は局所麻酔を用いて行われます。医師は、患者さんの症状や画像検査の結果などを総合的に判断し、適切な太さと長さのトロッカーを選択し、安全に挿入します。
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エアリーク:気胸治療の鍵

- エアリークとは?呼吸をする際に、肺から胸腔と呼ばれる肺を取り囲む空間へ空気が漏れてしまう状態を「エアリーク」と言います。 通常、肺は呼吸によって膨らんだり縮んだりすることで、体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。しかし、肺に穴が開いてしまうと、この空気の出入りが正常に行われなくなります。 エアリークは、肺の病気や外傷によって引き起こされることがあります。例えば、肺気腫や肺癌などの病気によって肺の組織が壊れることで穴が開く場合や、交通事故や転倒などによって胸部に強い衝撃が加わることで肺が損傷し、穴が開く場合があります。エアリークが発生すると、胸腔内に空気が溜まり、肺が圧迫されて呼吸が困難になることがあります。これを「気胸」と呼びます。気胸の治療では、胸腔ドレーンと呼ばれる管を胸腔内に挿入し、溜まった空気を体外に排出します。エアリークの程度は、この胸腔ドレーンから排出される空気の量などによって評価されます。エアリークの量が多い場合は、肺の損傷が大きいことを示しており、手術が必要となることもあります。エアリークは、命に関わる可能性もある深刻な状態です。呼吸困難や胸の痛みなどの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
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