胸腔

呼吸器

意外と知らない?肺虚脱「気胸」について

- 気胸とは気胸は、肺を取り囲むように存在する胸腔と呼ばれる空間に空気が入り込むことで、肺が正常に膨らむことができなくなる病気です。通常、呼吸をする際には、肺は空気を取り込むことで膨らみ、息を吐き出すことで縮むという運動を繰り返しています。しかし、気胸になると、肺の外側から圧力がかかるため、肺は十分に膨らむことができなくなります。その結果、呼吸をする際に苦しさを感じたり、胸に痛みを感じたりするようになります。気胸の原因は様々ですが、大きく分けて自然気胸と外傷性気胸の二つに分類されます。自然気胸は、肺に小さな穴が開いてしまうことによって発生し、特に痩せ型の若い男性に多く見られます。一方、外傷性気胸は、肋骨骨折や胸部への衝撃など、外部からの強い力によって肺に穴が開いてしまうことで発生します。気胸の症状は、空気の量や肺の圧迫具合によって異なります。軽度の場合は、自覚症状がほとんどない場合もありますが、重症化すると、呼吸困難や胸の激痛、さらには意識消失に至ることもあります。気胸は、適切な治療を行えば治癒する病気です。治療法としては、安静や酸素吸入、胸腔ドレナージなどがあります。症状が軽い場合は、安静にしていれば自然に治癒することもありますが、重症の場合は、入院して集中的な治療が必要となることもあります。
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呼吸の鍵を握る横隔膜

- 横隔膜の位置と構造横隔膜は、呼吸において中心的な役割を果たす重要な器官です。体の内部では、胸郭の下部に位置し、胸腔と腹腔を隔てる境目となっています。ドームのような形状で、薄い筋肉と腱組織からなりますが、その薄さとは裏腹に、強い力で上下に動くことで呼吸運動を支えています。横隔膜の上には心臓と肺が収まっている胸腔、そして下には胃や腸などの消化器官が詰まった腹腔があります。 横隔膜は、この二つの重要な空間を隔てる壁として機能し、それぞれの器官がスムーズに働くために必要な環境を維持しています。具体的には、横隔膜は周囲の骨格と強固に結びついています。 肋骨、胸骨、そして腰椎に付着することで、しっかりと体を支えながら、安定した呼吸運動を可能にしています。 また、横隔膜の中央部には「腱中心」と呼ばれる腱組織が存在します。腱中心は、横隔膜が収縮と弛緩を繰り返す際に、その動きを効率的に伝える役割を担っています。
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