胸痛

循環器

狭心症:胸の痛みと心臓の関係

- 狭心症とは心臓は、体中に血液を送り出すポンプのような役割を担っています。休むことなく働き続け、私たちの生命を維持するために欠かせない臓器ですが、心臓自身もまた、その活動のために多くの酸素を必要とします。心臓に酸素を届けるための重要な役割を担っているのが、冠動脈と呼ばれる血管です。しかし、この冠動脈に問題が生じると、心臓に必要な酸素が十分に行き渡らなくなり、様々な症状が現れます。このような状態を狭心症と呼びます。狭心症の主な原因は、動脈硬化によって冠動脈の内側が狭くなってしまうことです。血管の内側にコレステロールなどが溜まり、血管が硬く狭くなることで、血液の流れが悪くなってしまいます。また、冠動脈が一時的にけいれんを起こし、血液の流れが滞ってしまうことも狭心症の原因となります。心臓に酸素が不足すると、胸の痛みや圧迫感を感じることが多く、特に運動時やストレスを感じた時に症状が現れやすいのが特徴です。安静にすると症状が落ち着くことが多いですが、放置すると心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性もあるため、早期の診断と治療が重要となります。
呼吸器

静かなる脅威:アスベスト関連疾患

- アスベストとはアスベストとは、天然に存在する繊維状の鉱物の総称です。非常に細く、肉眼では確認できないほど小さな繊維が集まってできています。この繊維は、熱や摩擦に強く、電気を通しにくいといった特性を持つため、かつては「奇跡の鉱物」とも呼ばれ、様々な用途で重宝されていました。建材としては、屋根材や壁材、断熱材、床材などに広く利用されていました。その他にも、自動車のブレーキやクラッチ、電気製品の絶縁材など、その用途は多岐に渡りました。しかし、アスベストは、その微細な繊維を吸い込むことで、健康に深刻な影響を及ぼすことが明らかになりました。アスベストの繊維は非常に細いため、吸い込んでも肺の奥深くまで入り込みやすく、長期間にわたって肺に留まり続けます。そして、長い年月を経て、肺がんや中皮腫、じん肺といった深刻な病気を引き起こす可能性があります。これらの健康被害が明らかになったことを受け、現在では、アスベストの製造、使用、及び除去などは法律によって厳しく規制されています。
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