隠れた脅威を探る:背部誘導心電図とV7
心臓の電気的な活動を波形として記録する心電図検査は、循環器系の病気の診断に欠かせない検査です。
一般的に行われる12誘導心電図検査では、体の表面の特定の位置に電極を貼り付けることで、心臓の様々な方向から電気信号を捉えます。これにより多くの心臓病を診断することができますが、心臓の後壁と呼ばれる部分は、12誘導心電図では捉えきれないことがあります。
心臓の後壁は、心臓の後ろ側にある部分で、主に左心室の後壁と左心房の一部から構成されています。この部分は、心臓のポンプ機能において重要な役割を果たしており、後壁の異常は、心筋梗塞や不整脈などの深刻な心臓病に繋がる可能性があります。
12誘導心電図だけでは、後壁の異常を見つけることが難しい場合があります。そこで、より詳しく後壁の状態を把握するために、背部誘導心電図が用いられます。
背部誘導心電図では、背中に追加の電極を配置することで、心臓の後壁から発生する電気信号をより鮮明に捉えることができます。
背部誘導心電図は、12誘導心電図だけでは診断が難しい後壁の異常を検出する上で非常に有用な検査です。これにより、より正確な診断と適切な治療に繋げることが可能となります。