沈黙の石?胆石について解説
- 胆汁の結晶化
胆汁は、肝臓でつくられ、脂肪の消化を助ける液体です。通常はサラサラとしていますが、成分のバランスが崩れると、結晶が生じてしまいます。この結晶が成長すると、やがて石のように固くなり、胆石と呼ばれます。
胆汁に含まれる成分のうち、結晶化しやすいものとして、コレステロールとビリルビンが挙げられます。コレステロールは脂肪の一種で、細胞膜やホルモンの材料となる重要な物質ですが、胆汁中に過剰に存在すると結晶化しやすくなります。また、ビリルビンは赤血球が壊れる際に生じる色素で、通常は胆汁とともに体外へ排出されますが、何らかの原因で胆汁中の濃度が高くなると、結晶化しやすくなることがあります。
胆石は、胆のうや胆管に発生することが多く、その大きさや数も様々です。小さな結晶のうちは自覚症状がない場合もありますが、結石が大きくなると、胆のうや胆管を詰まらせ、激しい腹痛や吐き気などを引き起こすことがあります。さらに、結石が胆管に詰まった状態が続くと、胆汁の流れが滞り、黄疸などの症状が現れることもあります。
胆石は、食生活の欧米化や運動不足などが原因で増加傾向にあり、近年では、比較的若い世代での発症も増えています。胆石を予防するためには、バランスの取れた食事や適度な運動など、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。