胃潰瘍:原因と症状、治療法について
- 胃潰瘍とは胃は、食べ物を消化するために重要な役割を担う臓器ですが、その内壁は強い酸性の胃液に常にさらされています。健康な状態であれば、胃の粘膜は胃液から自身を守り、消化活動に支障が出ないように働いています。しかし、何らかの原因でこの粘膜が傷つけられ、深くえぐれてしまった状態を「胃潰瘍」と呼びます。胃潰瘍を引き起こす要因は様々ですが、かつては暴飲暴食やストレスなどが主な原因だと考えられていました。しかし近年では、ピロリ菌という細菌の感染が大きく関与していることが明らかになっています。ピロリ菌は、胃の粘膜に生息し、炎症を引き起こすことで潰瘍を形成しやすくしてしまうのです。胃潰瘍になると、みぞおちのあたりに痛みを感じることが多く、特に空腹時に痛みが強くなる傾向があります。また、吐き気や食欲不振、胸やけなどの症状が現れることもあります。さらに、症状が進行すると、吐血や下血、さらには胃に穴が開いてしまう「穿孔」といった重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。胃潰瘍は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、多くの場合症状は改善します。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、放置せずに医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。そして、ピロリ菌の除菌治療など、医師の指示に従って治療を進めていくことが大切です。