聴覚障害

耳鼻科

コミュニケーションの橋渡し:手話の世界

私たちは日々、言葉を駆使して、家族や友人、職場の同僚など、様々な人たちとコミュニケーションを取っています。しかし、世の中には、生まれつき耳が聞こえなかったり、病気や事故によって耳が聞こえにくくなったりしたために、私たちのように音声言語を使って円滑にコミュニケーションを取ることが難しい人たちもいます。 そのような人たちにとって、音声言語に代わるコミュニケーション手段として重要な役割を担っているのが「手話」です。手話は、単なる身振り手振りではなく、手の動きや形、顔の表情、体の動きなどを組み合わせて、相手に意味を伝える視覚的な言語です。日本語や英語などと同じように、手話にも文法や語彙があり、豊かな表現を用いて、自分の考えや感情を相手に伝えることができます。 例えば、「おはよう」と伝える場合、手のひらを顔の横に立てて軽く会釈する動作をしますし、「ありがとう」と伝える場合は、指先を揃えて軽く頭を下げる動作をします。このように、手話は音声言語とは異なる表現方法を用いることで、耳が聞こえない、あるいは聞こえにくい人たちとのコミュニケーションを可能にするだけでなく、彼らが社会参加し、自分らしく生きていく上で欠かせないものとなっています。
資格・職種

コミュニケーションを支える専門家:言語聴覚士

私たちが毎日何気なく行っている「話す」「聴く」「読む」「書く」。これらは全て「コミュニケーション」と呼ばれる、人と人とをつなぐ上で必要不可欠な行為です。しかし、病気や発達段階における問題などによって、こうした行為に困難が生じてしまう人たちがいます。 生まれたときから音が聞き取りにくい子ども、脳卒中の後遺症で言葉を発することが難しくなった高齢者、うまく言葉が出てこなくて悩む学生など、コミュニケーションに困難を抱える人の背景や症状は実に様々です。 音が聞こえづらい、言葉がうまく話せないということは、単に相手の言っていることが理解できない、自分の気持ちを伝えられないというだけではありません。コミュニケーションがうまくいかないと、周囲の人とうまく関係を築くことが難しくなり、孤独を感じやすくなってしまいます。また、就職や社会参加など、人生の様々な場面で困難に直面することもあります。 このような困難を克服し、誰もが円滑なコミュニケーションを取ることができるように、様々な取り組みが行われています。例えば、聴覚に障害のある子どもには、手話や口話、文字によるコミュニケーションなど、その人に合った方法でコミュニケーションを図ります。また、脳卒中の後遺症で言葉が話せなくなった高齢者には、言語聴覚士によるリハビリテーションが行われます。 コミュニケーションは、私たちが人間らしく生きる上で欠かせないものです。困難を抱える人々への理解を深め、誰もが安心してコミュニケーションを取ることのできる社会を築いていくことが大切です。
耳鼻科

聞こえを支える補聴器

- 補聴器とは補聴器は、年齢を重ねたり、病気の影響を受けたり、あるいは騒音環境にさらされることで低下してしまった聴力を補うための医療機器です。その役割は、周囲の音を大きくしたり、聞き取りにくい音域を強調したりすることで、聞こえを改善し、円滑なコミュニケーションを助けることにあります。補聴器は、ただ音を大きくするだけのものではありません。装着する人によって、聴力の低下具合や聞こえ方の特徴は千差万別です。そのため、補聴器は、一人ひとりの聴力レベルや聞こえ方の癖に合わせて、細かく調整される必要があります。例えば、高い音が聞き取りにくい、低い音がこもって聞こえるなど、人によって聞こえにくい音域は異なります。また、静かな環境と騒がしい環境では、必要な音量や音質も変わってきます。補聴器は、このような個別のニーズに合わせて調整することで、その人に最適な聞こえを提供します。最近では、小型で目立ちにくいデザインのものや、スマートフォンと連携して音楽や通話を楽しめる高機能なものなど、様々な種類の補聴器が登場しています。自分に合った補聴器を選ぶことで、より快適な聞こえと、より豊かな生活を送ることができるでしょう。
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