手術の必需品:持針器
- 持針器とは持針器は、外科手術において縫合を行う際に必要不可欠な医療器具です。手術では、傷ついた組織を縫い合わせるために縫合糸と縫合針が用いられますが、縫合針は非常に小さく、素手で扱うには滑りやすく危険が伴います。そこで、安全かつ確実に縫合針を保持するために持針器が用いられます。持針器の先端部分は、短い顎のような形をしています。この顎の部分で縫合針を挟み込むことで、針をしっかりと固定し、術者が思い通りに操作することを可能にしています。また、持針器は、握りやすく、指先の微妙な動きを針先に伝えることができるよう、人間工学に基づいて設計されています。持針器には、さまざまな種類があります。使用する縫合針の太さや手術部位、手術の種類などに応じて、適切な形状やサイズ、材質のものが使い分けられます。例えば、開腹手術のように深く広い範囲の手術には、長い持針器が適しています。一方、腹腔鏡手術のように小さな穴から器具を挿入して行う手術には、短く細い持針器が用いられます。このように、持針器は、外科手術において精密な作業を安全に行うために欠かせない存在と言えるでしょう。