線維化

消化器

沈黙の臓器の悲鳴:肝硬変とは?

肝硬変とは、「沈黙の臓器」とも呼ばれる肝臓に起こる重篤な病気です。肝臓は、私たちが口にした飲食物の消化や栄養の変換、体に有害な物質の分解など、生命を維持するために欠かせない様々な役割を担っています。しかし、その働きは非常に複雑かつ高度で、ある程度のダメージを受けても、すぐに症状として現れないという特徴があります。これは、肝臓が体にとって非常に重要な臓器であるがゆえに、高い再生能力と予備能力を備えているためです。つまり、初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに病状が進行してしまうことが少なくありません。肝硬変は、まさに、普段は黙々と働き続けるこの臓器からのSOSと言えるでしょう。肝臓は、「もう限界だ」と必死に訴えているのです。
皮膚科

全身性硬化症:皮膚や内臓が硬くなる病気

- 全身性硬化症とは全身性硬化症は、皮膚や内臓など、体の様々な場所に硬化(線維化)が起こる病気です。線維化とは、本来は柔軟性のある組織が、コラーゲンというたんぱく質が過剰に作られることで、硬くなってしまう現象です。この線維化は、血管や内臓など、全身の結合組織で起こる可能性があります。健康な状態では、結合組織は体の組織や器官を支え、弾力性を与える役割を果たしています。しかし、全身性硬化症を発症すると、この結合組織が硬くなってしまい、本来の機能を果たせなくなります。その結果、皮膚の硬化や色素沈着、関節の痛み、指先の潰瘍、臓器の機能障害など、様々な症状が現れます。全身性硬化症は、国の指定難病に認定されている希少疾患です。厚生労働省の研究班の報告によると、国内の患者数は約2万2千人と推定されています。原因は未だ解明されておらず、根本的な治療法は確立されていません。しかし、早期に診断し、症状に合わせた適切な治療を行うことで、病気の進行を遅らせ、生活の質を維持することが可能です。
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