脳への血液供給路:総頚動脈
人間の頭部、特に脳は、生命維持や日々の活動に欠かせない重要な器官です。脳が正常に機能するためには、酸素や栄養を豊富に含んだ血液を常に供給する必要があります。この重要な役割を担っているのが、左右の首筋に1本ずつ、合計2本通っている総頚動脈です。
総頚動脈は、心臓から送り出された血液を脳へと運ぶ、いわば生命の太いパイプラインと言えるでしょう。心臓から上半身へと向かう大動脈から枝分かれした総頚動脈は、首の部分を通りながら頭部へと血液を送り届けます。そして、脳に到達した血液は、脳の隅々まで行き渡り、思考や記憶、運動機能など、人間らしさを支える様々な活動に必要な酸素や栄養を供給します。
もしも、事故や病気などで総頚動脈が損傷したり、血流が途絶えてしまうと、脳への酸素供給が滞り、脳細胞がダメージを受けてしまいます。最悪の場合、意識障害や運動麻痺などの重い後遺症が残ったり、死に至る可能性もあるのです。このように、総頚動脈は、私たちが健康な状態で日常生活を送る上で、極めて重要な役割を担っていると言えるでしょう。