心の防衛:防衛機制を理解する
- 防衛とは何か「防衛」という言葉は、広辞苑によると「防ぎ守ること」と定義されています。これは、私たちの身を守る行為を指します。では、私たちは何から、どのように身を守っているのでしょうか。まず、防衛の対象となるのは、大きく分けて二つあります。一つは、外からの攻撃や危険です。例えば、外敵の侵入から家を守る、病気の感染から体を守るといった場合が挙げられます。もう一つは、私たちの心や精神に対する脅威です。強いストレスや不安、恐怖といった感情は、時に私たち自身を押しつぶしてしまうほどの苦痛をもたらします。このような脅威から自身を守るために、私たちは様々な方法で「防衛」を行います。家の周りに塀を築いたり、鍵をかけたりするのは、外敵の侵入を防ぐための物理的な防衛です。一方で、風邪をひいた時にマスクをしたり、栄養のある食事をとったりするのは、病気の感染を防ぐための身体的な防衛と言えるでしょう。そして、私たちの心もまた、苦痛や不安から自身を守るための防衛手段を持っています。これが「防衛機制」と呼ばれるものです。防衛機制は、私たちが意識せずに自動的に働く心の働きであり、様々な形で現れます。例えば、嫌なことを忘れようとしたり、都合の良いように解釈したりするのは、防衛機制の一種です。防衛とは、私たちが健全な状態を保ち、より良く生きていくために欠かせないものと言えるでしょう。